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2008 年度 実績報告書

血液型抗原発現クローン豚の作出-免疫寛容誘導法の確立-

研究課題

研究課題/領域番号 18380162
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

小川 晴子  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (10400079)

キーワード移植 / 拒絶反応 / 免疫寛容 / 血液型抗原 / クローン動物 / 核移植 / リンパ球 / ABO
研究概要

ABO式血液型の不適合は移植における主要な危険因子の一つであるが、慢性的な臓器不足を背景にABO不適合腎移植が行われている。同移植における技術進歩は目覚ましく、移植腎の生着率は著しく向上したが、不適合抗原に対する抗体が産生される結果引き起こされる拒絶反応への懸念は依然存在する。危険性の高さから心臓や肝臓のABO不適合移植は一般的に行われていない。もしも移植前の患者に不適合血液型抗原に対する免疫寛容を誘導できるならば、ABO不適合移植の安全性はより一層高まると考えられる。本研究は、ABO不適合移植に応用可能な免疫寛容誘導法の確立を目指している。ABO抗原に構造が酷似する糖鎖抗原であるα-gal抗原をモデルとしたマウス実験において、目的とする抗原を発現させたリンパ球を投与する事によって抗原特異的な免疫寛容を誘導できる事を明らかにし、同様の方法によりマウスにおいてヒトB抗原に対する免疫寛容を誘導できる事を確認した。研究の次なる段階として大動物実験が必要であるが、ヒト以外の種では霊長類動物を含めABO抗原の発現が低いために、本研究に適する大動物実験動物モデルの構築が求められた。そこで、核移植の手法を用いる事により、ヒト同様ににABO抗原を発現する遺伝子改変ブタを作出し、それを用いてABO抗原に対する免疫寛容について研究する事を目的として実験を行ってきた。これまでに、ヒトA抗原の生成酵素遺伝子を導入した遺伝子改変クローンブタを作出し、そのブタの細胞の一部にA抗原が発現している事を確認した。しかしながら、本研究の目的に合致するブタ実験モデルを作出するためには更なる遺伝子導入が必要である事が明らかとなり、研究を続行している。また、免疫寛容に用いるリンパ球へのABO抗原の安定発現のために、ウイルスベクターあるいはそれ以外の方法を用いて検討を重ねている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Removal of blood grollp A/B antigen in organs by ex vivo and in vivo administration of endo-β-galactosidase (ABase)for ABO incompatible transplantation2009

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi T, Liu D, Ogawa H, Miwa Y, Nagasaka T, Maruyama S, Li YT, Onishi A, Iwamoto M, Kuzuya T, Kadomatsu K, Uchida K, Nakao A
    • 雑誌名

      Transplant Immunology 20

      ページ: 132-138

    • 査読あり
  • [学会発表] Tolerance Induction to ABO blood group antigens by using autologous lymphocytes engineered to express the cognate antigen2008

    • 著者名/発表者名
      Ogawa H
    • 学会等名
      XXII International Congress of the Transplantation Society
    • 発表場所
      Sydney (Australia)
    • 年月日
      20080810-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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