研究課題/領域番号 |
18380171
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 利男 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (20176895)
|
研究分担者 |
稲波 修 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (10193559)
今川 敏明 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (20142177)
|
キーワード | バニロイド / カプサイシン / マスタードオイル / 痛覚過敏 / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
本研究の目的は、神経原性疼痛や炎症性疼痛で生じる痛覚過敏の発現機構を明らかにするため、近年痛覚受容体分子としてその重要性が示唆されているバニロイド受容体に着目し、この受容体遺伝子のクローニングと、異所性発現させた細胞における活性制御分子機構を明らかにすることである。 本年度は、ブタバニロイド受容体のクローニングと構造解析を行い、これまで報告されているヒトを含む他種と比較した。その結果、本受容体チャネルはアミノ酸で84-88%と高い相同性を持っていることが分かった。この受容体をHEK293細胞に発現させ機能解析を行った結果、プロトン(pH6.5以下)、高温(42C以上)及び各種バニロイドアゴニストに感受性を示すポリモーダル受容体として機能していることが分かった。さらに、これまで低温感受性チャンネルのリガンドとして知られたallylisothiocyanate(マスタードオイル)が、このチャネルを特異的に活性化させることを、異所性発現系とブタ背根神経節細胞を用いて明らかにした。一方、同時にクローニングしたラットバニロイド受容体ではマスタードオイルは活性化を起こさないことも見出している。今後は、ヒト遺伝子のクローニングに加えて、ブタ遺伝子に対してヒト、ラットのキメラ遺伝子を作成し、発現機能解析を行うことにより、関連アミノ酸の同定を行う予定である。
|