研究概要 |
表記課題を達成するための平成19年度の期間で,下記のような実験を進めた。 1)新らたにクローニングした下垂体の新規転写因子Prop-1,Lhx2,Prx2の機能について,ヒト,ラットの性腺刺ホルモン遺伝子プロモーターの転写機能調節,ゲルシフトアッセイとフットプリンティングによる作用点の解析を行った。 2)クローン化したホメオドメイン型転写因子群がTAATモチーフを共通としながらも,その周辺のヌクレオチドの構成により微妙に結合特性を事にすることを明らかにした。 3)新規転写因子Prx2の機能を解明するため,この因子が多量に発現する下垂体株化細胞TtT/GFに対してsiRNAを導入することで,Prx2機能阻止を行った細胞から調製したRNAを未処理のそれと比較するマイクロアレイ解析を行い,特異な遺伝子発現の変化を確認した。 4)新規転写因子Prop-1の特異抗体を作製して,ラット下垂体の胎仔ならびに出生後のProp-1局在を調べ,発生中期の胎児期の全ての細胞にProp-1が発現することを初めて観察した。 5)さらなる因子の獲得を目指すために,酵母の発現系を用いたOne-HybridSystemおよびTwo-Hybrid System系によるクローニングを行うため,ラット下垂体cDNAライブラリーを酵母発現ベクターに構築し,19年度にクローニングを展開する。
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