研究課題/領域番号 |
18380181
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80159582)
|
研究分担者 |
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (10292096)
中村 一哉 富山県衛生研究所, ウイルス研究部, 研究員 (00400078)
|
キーワード | 重要原虫病 / 網羅的 / 診断 / プロテインアレイ / 血清 / 少量 |
研究概要 |
本研究は一滴の血液サンプルから動物の原虫感染症を網羅的に診断できるプロテインアレイを開発することを最終目的とし、以下の手順で実施している。 1)牛に感染し得る主要病原原虫の診断用抗原の発現精成、 2)ウシ実験感染血清を用いた試作プロテインアレイの最適反応条件の検討、 3)試作プロテインアレイによる野外検体の調査及びその総合評価、 4)本法の導入による原虫感染症に対する万全な監視体制の確立。 1.牛に感染し得る主要病原原虫の診断用抗原の発現精成については、昨年度までにBabesia bovis及びBabesia bigeminaのRAP-1抗原、Toxoplasma gondiiのSAG2抗原、Neospola caninumのSAG1抗原の発現精成を完了しており、今年度はさらにCryptosporidium parvumのp23抗原の発現精成を行った。 2.今年度はウシ実験感染血清を用いた試作プロテインアレイの最適反応条件の検討を重点的に行ってきた。これまでに発現精成を行った各種抗原は既にELISAにより特異性、感度が高い診断用の抗原として優れている抗原を選択しているため、これらの抗原を実際にスライドガラスに固着させ、それぞれの抗原について至適な反応時間、反応温度、各種試薬の濃度等の条件検討を行っている。本研究の性質上、3)試作プロテインアレイによる野外検体の調査及びその総合評価については、さらに幾つかの原虫由来抗原の発現精成及びプロテインアレイの条件検討が終了してから同時に行う必要があり、平成20年度後期からウシ野外血清を用いての調査を進めていく予定である。現在までのところ、(1)スライドガラスに専用スポッターを用いて標的抗原を一定量固着、(2)感染血清反応後に二次抗体としてHRP標識抗ウシイムノグロブリン抗体を反応、(3)化学発光(ケミルミネッセンス)によりイメージアナライザーで検出するという試験行程を確立しつつある。ウシ原虫感染症に関する条件検討が終わり次第、二次抗体をHRP標識プロテインGに切り替え、他動物種の血清においても同様に試験できることを確認した。
|