研究課題/領域番号 |
18380184
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田島 誉士 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (90202168)
|
研究分担者 |
片桐 成二 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (00292061)
小沼 操 北海道大学, 名誉教授 (70109510)
|
キーワード | 牛ウイルス性下痢ウイルス / BVDV / バルク乳検査 / 持続感染牛 / 防疫 |
研究概要 |
前年度に引き続き、北海道内の酪農専業地域(オホーツク、根室)、乳肉農家混在地域(石狩、胆振)の酪農家を対象として、各地区における牛群へのBVDV浸潤状況をバルク乳を用いた牛群検査によって調査した。すなわち、各地域における酪農家のバルク乳にっいて、RT-PCR法によってBVDV遺伝子の有無を検査した。BVDV遺伝子が検出された農家(陽性農家)については、その農家で飼養されている子牛、育成牛、未経産牛などの非泌乳牛を含む全頭を対象として血清を用いたRT-PCR法によってウイルス遺伝子検査を実施し、持続感染牛を特定した。その結果、数年にわたりBVDV対策を実施していた地域においては陽性農家が摘発されなかった。前年度から対策を始めた地域では、800戸中5戸(0.6%)の農家が陽性となり、7頭の持続感染牛(PI)が摘発された。また、それらの摘発されたPIおよび病勢鑑定等によってPIと特定された個体について、耳標登録情報あるいは血統書に基づきそれらの個体およびその母牛の出生地ならびに移動歴を調査して胎子期の飼養地を特定した。地図上にその情報をプロットし、BVDVの浸潤状況を目視化することによって、ウイルス侵入経路を推測した。 前年度からの調査によって、BVDV対策実施地域では導入牛からの出生子牛がPIであることが多く、牛群内へのBVDVの侵入は導入牛を介してなされる可能性が高いと考えられていたが、今年度の結果から導入牛はウイルス侵入門戸としての危険度が極めて高いことが示唆された。また、複数地域が共同利用する公共牧野、全道からの牛が一カ所に集まる共進会場、などにおけるウイルス伝播の可能性も極めて高いことが示唆された。
|