研究課題
1. 新規リケッチアの特異的診断法の確立我が国に生息する紅斑熱リケッチア各病原体は互いに塩基配列が非常に近似しており、種特異的PCRが確立できず、制限酵素多型による鑑別を行った。日本に生息する4種の紅斑熱リケッチアR. japonica、R. asiatica、R. helvetica、R. tamuraeのScaA遺伝子に基づくPCR産物を制限酵素を用いて切断することにより迅速に種を鑑別することができることがわかった。2. 新規リケッチアの疫学的性状の解明沖縄県与那国島の黒毛和種牛15頭のうち、12頭(80.0%)がA. phagocytophilum種特異的PCRで陽性を、また8頭(53.3%)がA. bovis種特異的PCRで陽性を示した。うち6頭(40.0%)は両方に陽性を示した。A. marginaleおよびA. centraleに対してはすべて陰性であった。遺伝子解析の結果、与那国島牛由来A. phagocytophilumは本州・北海道のニホンジカ由来A. phagocytophilumと高い相同性を示し、また与那国島牛由来A. bovisの遺伝子解析でも本州と北海道のニホンジカ由来A. bovisとの相同性が高かった。3. 新規リケッチア感染が産業動物の健康状態と生産性に及ぼす影響の解明沖縄県与那国島の黒毛和種牛15頭のうち、A. phagocytophilum種特異的PCRで陽性を示した牛12頭には特異的な症状はみられなかった。遺伝子解析では欧米株とは別のcladeを形成しており、我が国のA. phagocytophilumは欧米株と遺伝子性状だけでなく病原性が異なる可能性が考えられた。
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