研究課題/領域番号 |
18380188
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山手 丈至 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50150115)
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研究分担者 |
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (20244668)
竹中 重雄 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10280067)
岩崎 忠 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (70336808)
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キーワード | 腎線維化 / マクロファージ / 筋線維芽細胞 / シクロオキシゲー / EP4 / 肝線維化 / 抗原提示マクロファージ / MCP-1 |
研究概要 |
本研究の目的は、腎線維化に出現するマクロファージと筋線維芽細胞の特性を病理学的に解析し、それらの特性に基づいた腎線維化の有効な治療法を探索することである。さらに、同じ発生機序で形成される肝線維化についても解析を加えた。 本年度は以下の成果を得た。 1)抗癌剤であるシスプラチンをラットに投与することで誘発した腎線維化モデルを用いて、特にマクロファージの出現とシクロオキシゲナーゼ(COX)の発現について解析した。その結果、このモデルでは、COX2の発現が減じるとともに、COX1の発現が増加した。また、傷害尿細管上皮にはCOX合成酵素とPGE2のレセプター、特にEP4が増加することが分かった。シスプラチン誘発モデルでは、他の腎線維化モデルで示されているようなCOX2の関与はなく、むしろCOX1の関与がマクロファージの出現において重要であると思われた。また、筋線維芽細胞の形成にはThy-1の発現が関ることが示された。 2)以上に加え、チオアセトアミド誘発急性肝線維化ラットモデルを作製し、出現するマクロファージについて解析した。その結果、傷害部位に出現するED1陽性の貧食活性の高いマクロファージの多くがOX6に対しても免疫組織化学的に反応することが示された。これは、細胞残屑を貧食した浸潤マクロファージが抗原提示能を有することを示唆する。さらに、マクロファージの誘導に係るMCP-1は類洞周囲細胞から産生されることをミラー標本を用いて明らかにした。 3)さらに、LPSを投与したラット脳髄膜に出現するマクロファージ群の特性についても解析を行った。その結果、脳傷害では固着マクロファージが重要な役割を演じることが示された。
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