研究課題/領域番号 |
18380190
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高垣 美智子 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (00206715)
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研究分担者 |
丸尾 達 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (20143266)
江頭 祐嘉合 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (80213528)
倉内 伸幸 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00256835)
小沢 聖 国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, プロジェクトリーダー (40360391)
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キーワード | 環境浄化 / 硝酸態窒素 / 河川水 / 機能性成分 / 日長反応 / 花芽分化 |
研究概要 |
草生水路において、既知の窒素濃度の用水を最上流から一定速度で流し、硝酸態窒素吸収量を測定した結果、エンサイ栽培に適した水温25℃以上の時期では植物体生産量、窒素吸収量ともに大きかったのに対し、水温25℃以下の時期で小さくなった。しかし、エンサイの窒素吸収量が小さくなった時期には水路内の藻が窒素吸収に貢献していることも明らかになった。このことから草性水路ではエンサイと藻、双方を組み合わせることで、より効率的な水質浄化機能が期待できるといえる。 タイ栽培系統2、自生系統2、台湾栽培系統1、コートジボワール自生系統1を供試して、8時間から14時間の日長処理を行った。その結果、すべての系統で、13時間以上の日長では開花しないこと、12時間以下の日長では開花し、処理時間が短いほど開花までの日数が短くなることが明らかとなったが、収集地域および栽培系統と自生系統の間で、有意な差は認められなかった。また節数、花芽数にも有意差は認められなかった。以上の結果から、日長処理による開花促進では、採種地間、栽培系統と自生系統間に差はなく、日長処理が選抜指標とはなり得ないことが明らかとなった。 エンサイ野生系統(タイからの導入)の収穫時期による成分変化と食品としての機能性を見るためラジカル消去活性と胆汁酸吸着能を検討した。夏(7月)、秋(9、10月)、冬(11月)に収穫した試料の総ポリフェノール含量、還元型アスコルビン酸等を測定した。その結果、葉においては総ポリフェノール含量は夏、秋に、還元型アスコルビン酸含量は冬に若干高い値を示した。DPPHラジカル消去活性は葉、茎ともブロッコリー、ほうれん草に比し高い値を示した。胆汁酸吸着能はエンサイの葉、茎、ほうれん草、セルロースでほぼ同じ値を示した。以上の結果からエンサイの成分は季節変動が見られ、他の野菜に比し強いラジカル消去活性があることが明らかになった。
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