研究課題/領域番号 |
18380191
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
矢木 修身 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40132865)
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研究分担者 |
中嶋 睦安 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10059660)
栗栖 太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30312979)
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キーワード | シスジクロロエチレン / ビニルクロリド / クロロエチレン / Dehalococcoides / 脱ハロゲン分解 / 揮発性有機塩素化合物 |
研究概要 |
Dehalococcoides属細菌の高度集積培養系を作成し、分解能の安定化及び水素による制御の可能性を検討した。シスジクロロエチレン(cis-DCE)分解能を有する高度集積培養系の脱ハロゲン化能の安定化にハス田土壌の添加が有効であり、滅菌土壌5%の添加により10mg/lのcis-DCEが約20日間でエチレンまで脱ハロゲン化され、Dehalococcoides属細菌の16SrDNAコピー数が10^8/mlに達した。1年以上の植継ぎでもDehalococcoides属細菌が10^<6-7>コピー数/ml存在した。 添加効果因子を調べた結果、有機酸に関しては、乳酸1mMの添加が最も効果を示し、ついで酢酸、酪酸、吉草酸が効果を示した。一般に有機酸は低濃度のほうが高い促進効果を示した。またビタミンB_<12>が0.025mg/lの高濃度で、土壌抽出液、アミノ酸混合液も促進効果を示した。Dehalococcoides属細菌の計数は、TaqManプローブを用いるReal-time-PCR法により再現性良く検出された。 集積培養系よりDNAを抽出しDehalococcoides属細菌の解析を行った。シークエンスできた15クローン中の8クローンが従来知られているCBDB1およびFL-2株と異なった新規のものと考えられ、デハロゲナーゼvcrA遺伝子は14クローン中8クローンが新規のものと推察され、Dehalococcoides属細菌の多様性が確認された。 水素のクロロエチレン分解に及ぼす効果について検討した。バイアルビン増殖培養系では、初期水素濃度10^4ppmでは水素がすぐに消費され分解は進行しないが、初期10^5ppmでは、水素が10^4ppmレベルになったときにcis-DCEがビニルクロリドに、10^3ppmレベルになるとエチレンにまで分解される傾向が認められた。水素濃度を制御できる1Lのジャー培養装置を構築し、これを用いて水素濃度10^2-10^4ppmの分解能への影響を調べたが、分解活性が低く明確な結果が得られなかったが、水素濃度による脱ハロゲン微生物の制御の可能性が示唆された。
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