研究課題/領域番号 |
18380192
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平井 伸博 京都大学, 農学研究科, 教授 (00165151)
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研究分担者 |
水谷 正治 京都大学, 化学研究所, 助教 (60303898)
轟 泰司 静岡大学, 農学部, 准教授 (30324338)
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キーワード | 植物 / 環境 / バイオテクノロジー / 生理活性 / 有機化学 |
研究概要 |
1)ABA8'位水酸化酵素選択的ABA誘導体の合成と生理的効果ABA8'位水酸化酵素の基質特異性に基づいて、ABA活性を示さずに水酸化酵素阻害活性を示すABA誘導体AHIをデザイン・合成した。その柑橘芽生えに対する乾燥耐性付与効果を調べた結果、uniconazoleに匹敵する効果を示した。 2)Uniconazoleの活性配座の解明 ABA8'位水酸化酵素に特異的なuniconazole誘導体開発の手がかりを得るために、uniconazoleの親水性部位である水酸基とアゾール環に特化して構造活性相関研究を行った。これにより、3位置換基の水素結合受容能およびトリアゾール環の回転に関連した立体配座がuniconazoleの活性に重要な役割を果たしていることが明らかになった。 3)ABA8'位水酸化酵素のABA認識部位の特定 ABA8'位水酸化酵素酵素のABA認識に関わるアミノ酸残基をホモロジーモデリングによって予想し、これらを改変した変異酵素を作製してABA水酸化活性を調べ、Lys109とAsn207がABAの1位カルボン酸と相互作用している可能性が高いことを明らかにした。 4)ABA8'位水酸化酵素とP450還元酵素を共発現した大腸菌の調製 ABA8'位水酸化酵素であるシトクロムP450 CYP707A3の組換え酵素を大腸菌で作成する発現系を構築した。さらに、同水酸化活性を大腸菌で測定できるように、P450の電子供与酵素であるNADPH-P450還元酵素を大腸菌でP450と共発現させる系を構築した。CYP707A3とP450還元酵素を共発現した大腸菌から調製した膜画分で酵素活性を確認することができた。さらに、本大腸菌にABAを投与したところ、培地中に代謝物であるファゼイン酸を多量に検出した。本発現系により、化合物の阻害活性を簡便に評価することが可能となった。さらに、本発現系はファゼイン酸還元酵素を探索する上で有用なスクリーニング系となることが期待できる。
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