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2007 年度 実績報告書

哺乳類の発生・分化過程における染色体構築原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18380198
研究機関三重大学

研究代表者

奥村 克純  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (30177183)

研究分担者 佐藤 憲子  財団法人東京都医学研究機構, 研究員 (70280956)
キーワードエピジェネティクス / 複製フォーク / セントロメア / FISH / サブテロメア / 可視化
研究概要

計画に基づいて研究を進めたが,特に,
○DNMT1阻害剤5-aza-2'-deoxycytidine(aza-dC)処理マウスm5S細胞の複製フォークの進行速度をゲノムワイドに解析するとともに,FISH法を用いて高メチル化DNA領域のMaSat,MiSatを可視化し,この領域の複製フォークの進行速度を解析した結果,aza-dC処理により,ゲノムワイド,MaSat,MiSatでいずれも複製フォークの進行速度が減速することを示した。その原因としてMaSat,MiSatでDNAの脱メチル化と,それに伴う転写活性化が起きていることを示し,転写因子が複製フォークの進行を妨げ,この領域の複製フォークの進行速度を減速させた可能性を示した。この他aza-dC処理により,DNA複製依存的にDNA損傷が誘導されること,DNA損傷が高頻度に誘導されるマウスセントロメア周辺領域において複製フォーク進行速度が遅延していることなどを見出した。
○ヒト各種培養細胞に対して,BrdUを用いてDNAを複製標識し,間期核FISHによる解析に加えて,マイクロアレイや定量的リアルタイムPCRを用いて,サブテロメア領域のマクロな領域とミクロなゲノム領域における複製タイミングを解析した結果,サブテロメア領域の複製タイミングは細胞間で異なり,同じ細胞であっても染色体によって複製タイミングは異なっていること,多くのサブテロメア領域はテロメアの複製タイミングと一致し,複製タイミングの早い領域が多いこと,一部のサブテロメア領域についての解析から,マクロには,複製タイミングが早い領域ほど,核内部に配置し,GC含量が高く,サブテロメア領域でも複製タイミング,核内配置,GC含量の関係に相関があること,ミクロには,複製タイミングは遺伝子の転写活性よりもヒストン修飾と強い相関があることなどを明らかにした。すわなち,サブテロメア領域において,ヒストン修飾が複製タイミングの制御機構の上流に位置し,エピジェネティックな要因でクロマチンの構造が決定し,その高次クロマチン構造の変化によって複製タイミングが制御されることを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Hyper-Phosphorylated Retinoblastoma Protein Suppresses Telomere Elongation2008

    • 著者名/発表者名
      Masaharu TAKEMURA
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnolgy, and Biochemistry 72巻

      ページ: 630-635

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 哺乳類細胞における核内ゲノムダイナミクスの可視化技術とその応用展開を目指して2007

    • 著者名/発表者名
      奥村 克純
    • 雑誌名

      三重大学生物資源学部紀要 34

      ページ: 1-14

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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