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2008 年度 実績報告書

哺乳類の発生・分化過程における染色体構築原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18380198
研究機関三重大学

研究代表者

奥村 克純  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (30177183)

研究分担者 杉村 和人  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (90452226)
キーワード複製フォーク / DNA損傷 / セントロメア / 可視化 / エピジェネティクス / PARP / テロメア
研究概要

計画のうち本年度特に特に成果が得られたテロメア領域の複製タイミングについて報告する。既にテロメラーゼ陽性細胞であるHela細胞のテロメアDNAの複製タイミングを詳細に解析しているが、ヒトのALT細胞である(VA-13細胞)を用いてテロメアDNAの複製タイミングを解析した。
まず、ALT細胞であるVA-13細胞を細胞周期同調法によって、S期(DNA合成期)に分画した。細胞周期同調法として、DNAポリメラーゼα阻害剤であるアフィジコリン処理により一旦S期に同調した細胞を通常培地でリリース培養し、S期の各時期で細胞を回収する方法をもちいた。細胞周期同調後、ハロゲン化ヌクレシドであるBrdUとBrdCを同時に複製鎖に取り込ませ標識し、回収後BrdU、BrdCにより複製標識されたゲノムDNAに対して、抗BrdU抗体を用いた免疫沈降を行い、複製直後のDNAのみを回収した。BrdUで標識したDNAからはGリッチ鎖とCリッチ鎖がともに回収され、この産物に特定の遺伝子領域に対するプライマーを用いて定量的リアルタイムPCRを行いテロメアの複製タイミングを定量的に解析した。コントロールを確認し、この方法に正確に特定遺伝子領域の複製タイミングが解析可能であることを確認した。次にテロメア反復配列特異的なプライマーセットを用いて解析した結果、S期の中期に特異的なピークが見られた。このことから、VA-13細胞のテロメアはS期中期に複製すると考えられる。既にテロメラーゼ陽性細胞のHela細胞もS期中期にテロメアが複製することを示しており、テロメラーゼ陽性細胞とALT細胞でテロメアDNAの複製は共にS期中期で行われていることが示された。
この他、DNA損傷時のPARP-1の役割、核マトリックス上での複製開始と転写の関係、セントロメアヘテロクロマチン領域のDNA低メチル化とヒストン修飾変化のクロマチンダイナミクス等をまとめた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Cyclin A-Cdkl regulates the origin firing program in mammalian cells :2009

    • 著者名/発表者名
      Yuko Katsuno
    • 雑誌名

      Proceedings of National Academy of Science, U.S.A. 106

      ページ: 3184-3189

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PARP-1 ensures regulation of replication fork progression by homologous recombination on damaged DNA2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuto Sugimura
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology 183

      ページ: 1203-1212

    • 査読あり
  • [学会発表] 5-aza-2'-deoxycytidineはセントロメア領域のエピジェネティクスを変化させ染色体不安定化を導く2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤克
    • 学会等名
      第31回口本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20081209-20081212
  • [学会発表] 核マトリックスを介した複製開始に対する転写活性化の影響2008

    • 著者名/発表者名
      下京未来
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20081209-20081212
  • [学会発表] PARP-1は相同組換え因子による複製フォーク進行調節を保証する2008

    • 著者名/発表者名
      杉村和人、竹林慎一郎、武田俊一、奥村克純
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20081209-12
  • [学会発表] 転写依存的な核マトリックス結合が複製開始に与える影響2008

    • 著者名/発表者名
      下京未来
    • 学会等名
      日本農芸化学会中部支部第154回例会
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      2008-11-29
  • [学会発表] DNAメチル化阻害剤5-aza-dCによる染色体不安定化2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤克
    • 学会等名
      口本農芸化学会中部支部第154回例会
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      2008-11-29
  • [学会発表] 複製・転写依存的なクロマチンの各マトリックスへの結合2008

    • 著者名/発表者名
      下京未来
    • 学会等名
      日本農芸化学会中部支部第153回例会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2008-11-01
  • [学会発表] DNAメチル化阻害剤5-aza-dCによる染色体不安定化2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤克
    • 学会等名
      日本農芸化学会中部支部第153回例会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2008-11-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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