研究課題/領域番号 |
18390008
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
供田 洋 北里大学, 薬学部, 教授 (70164043)
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研究分担者 |
猪腰 淳嗣 北里大学, 薬学部, 准教授 (30151640)
長光 亨 北里大学, 薬学部, 准教授 (90300756)
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キーワード | 動脈硬化症 / ACATアイソザイム / 脂質代謝 / ケミカルバイオロジー / 医療・福祉 |
研究概要 |
コレステロールアシル化酵素(ACAT)は、2種のアイソザイムACAT1と2が存在し生体内で機能が異なることが明らかとなってきた。 1)真菌由来beauveriolideは本来ACAT1を選択的に阻害したが、その誘導体149種についてアイソザイム選択性を調べたところ、ACAT1の選択的阻害は15種、ACAT2の選択的阻害は11種、非選択的(両アイソザイムを同程度)阻害は60種であり、基本的骨格を変化させずに様々な選択性を持たせた誘導体を調製することができた。一方、唯一のACAT2選択的阻害剤pyripyropene(PP)Aの誘導体96種は、活性を示した全ての誘導体がACAT2を選択的に阻害した。選択性という点ではPPAが最も優れ、そのIC_<50>値の差は1000倍であった。ACAT2選択的阻害剤の抗動脈硬化作用が注目されていることから、今後、PPAについて動物レベルでの有効性を明らかにする。 2)PPAがACAT2タンパク質のどの部位と親和性を示すかを解析した。ACAT2のドメインをACAT1のそれと入れ替えたキメラACAT2を作成し、PPAによる阻害活性が保持されているかどうかを調べた。その結果、PPAはACAT2の5番目の膜貫通領域である492Q493V494Sの領域と結合していると考えられ、この3アミノ酸をACAT1のそれ(LLC)と入れ替えるとその阻害活性は大きく弱められた。 3)ACAT活性を阻害する新規化合物として、pentacecilideとquinadolin Bを真菌の代謝産物中より発見した。これらのアイソザイム選択性について調べる。また、既知化合物と同定した真菌由来flavasperoneとsterigmatocystinと植物由来rubimaillinは、10倍程度ACAT2に対し選択的阻害活性を示した。これらの構造から、多環性のangular型の化合物はACAT2に対して選択性を示すことが示唆された。
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