研究課題/領域番号 |
18390014
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
升島 努 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (10136054)
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研究分担者 |
津山 尚宏 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (10335747)
長谷川 朝美 広島大学, 薬学部, 教務員 (10379886)
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キーワード | 質量分析器 / イオントラップ / 細胞分子動態 / 飛行時間型質量分析器 / 4重極型質量分析器 |
研究概要 |
1.3重極・新イオントラップの開発 我々の特許である3重極は、イオンガイドとしても高収束能があり、且つ二つの3重極を配置するとそのギャップにイオンを貯めこむ事ができる(イオントラップ)。その最適なイオン光学系をコンピューターシミュレーションで決定し、コリジョンセルとしても使える長めのイオンガイドを先にし、その後ろに短い3重極を配置した新しいコリジョン・イオントラップを設計し、試作完成させた。 2.4重極・広範囲m/z高性能マスフイルターの開発 4重極として、熱膨張の少ないセラミックロッドを使用し、表面を金コーティングして新しい4重極電極を作製した。高性能化の鍵を握るもう1つの技術は、高圧高周波回路の安定性であり、D/Aコンバーターを使用したコンピュータ制御方式でそれを可能にした。まだ2000Vまでしか発生できないが、来年度昇圧トランスの位置などを検討し、更に高圧まで到達できるようにする。 3.反射飛行時間(TOF)型質量分析部の開発 この部分は既に確立された技術で製作できる部分であるが、更にリフレクター部に新しいアイデアを注入し、低導電性皮膜で表面をコートしたガラス筒をリフレクターとして使用してみることにし、今までの製作の面倒な金属プレートスタック方式を抜本的に変更した。また、TOF部の飛行距離は約1mあり、その伸び縮みは、質量分解能に大きく影響するものであり、恒温化する為に、外部にヒーティングユニットを巻きつけ、少し室温より高めの温度で恒温化することで、測定精度を上げた。 4.後段四重極を最後に結合させ、「新質量分析器」の試作完成 更に、後段にもう1つの同じタイプの4重極を配置し、これら本年度で開発した部品すべてを真空チェンバー内に設置し、新しい質量分析器を完成させた。
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