研究課題/領域番号 |
18390014
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
升島 努 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10136054)
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研究分担者 |
津山 尚宏 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10335747)
水野 初 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30457288)
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キーワード | 質量分析器 / イオントラップ / 細胞分子動態 / 飛行時間型質量分析器 / 4重極型質量分析器 |
研究概要 |
1.新イオントラップ-2重同時モード新質量分析器の開発 3重極新イオントラップは特許として認定され、3重極も含め世界初の基本特許となった。この3重極とタンデムにつないで、その間のギャップでイオンを蓄積する新しいイオントラップ法を考案し、これはアメリカにまず特許申請した。その後論文に投稿すると、refereeから驚きのコメントが帰ってきた。 この新しいイオントラップとTOFとタンデム4重極を同時にできるダブルタンデムという世界初の質量分析装置も試作する事ができ、その可能性と現時点での改良点を認識し、技術基盤を確立することができた。 2.細胞ナノ動態の解析への応用-1細胞ダイレクト質量分析法の確立- ナノスプレーイオン化法が、高感度なイオン化法である事を突き詰め、とうとう細胞1ヶでも分子ピークが認識できる事が分かった。しかも、その検出が、細胞が何か変化を起こした時に狙いを定めて、その細胞内の分子のうごめきを追跡できることがわかり、世界初のこの手法は「Live Single Cell Mass Spectrometry」とNatureの主任編集者に名付けられた。アレルギー細胞内の顆粒まで検出でき、1細胞内での分子ロジスティックまで解析で、また細胞の種別が主成分解析法で可能となり、現在は、分化細胞の因子追跡の可能性を追求している。 新しい可能性のある質量分析計の開発基盤がこれで形成でき、また、世界初の1細胞ダイレクト質量分析法が確立できた。この手法は、世界のライフサイエンスの速度を変えるものとして特許も申請し、今後、この両者を更に高性能にして、世界を先導したい。本基盤研究を可能として戴き、感謝に絶えない。
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