研究課題/領域番号 |
18390015
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中山 守雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60164373)
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研究分担者 |
原武 衛 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40325668)
小野 正博 京都大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80336180)
荒野 泰 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90151167)
古嶋 昭博 熊本大学, 生命資源研究支援センター, 准教授 (20161903)
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キーワード | Ge-68 / Ga-68 / ジェネレータ / PET / 分子イメージング / 多孔性樹脂 |
研究概要 |
PET(Positron emission tomography)による画像診断は、短半減期放射性核種を使用するため、サイクロトロン施設の併設を必用とする。我々は、サイクロトロンを使わない^<68>Gaの製法である^<68>Ge/^<68>Gaジェネレータシステムの構築を行っており、N-Methylglucamine基(MG)を有する樹脂が、Ge及びGaに望まれる吸脱着挙動を示すことを見出している。本年度の研究では、親水的な多孔性高分子母体にMGを導入し、Ge及びGaの吸脱着挙動への母体構造の効果を検討した。 Glycidyl methacrylate(GMA)及びEthylene glycol dimethacrylate(EG)にMethyl iso-butyl ketone(MIBK、多孔化剤)を混合し、懸濁重合法により高分子母体(PGMA-EG、粒子径0.25〜0.50mm)を合成した。PGMA-EGにMGを付加させPGMA-EG-MGへ誘導した。その結果、非放射性Geに対する平衡吸着量が0.24 mmol g^<-1>、50%吸着量に到達する時間が5分以内のPGMA-EG-MGが得られ、キャリアフリーの放射性^<68>Geの吸着剤として十分な吸着能を有することが確認できた。そこで、このPGMA-EG-MGを充てんしたカラムに、^<68>Ge溶液を通液してジェネレータを作製した。カラムに添加した^<68>Geのほぼ100%がカラムに保持された。^<68>Geと^<68>Gaの放射平衡に到達、0.1M Na_3 citrate溶液を溶離剤と、ジェネレータからの流出液を1mlずつ分画した。各分画の^<68>Ga及び^<68>Geの放射活性を測定すると、ジェネレータ内の^<68>Gaの56.9±1.9%が第一分画に溶出した。また、^<68>Geの漏出は、4.9×10^<-4>%以下であり、ジェネレータに求められる^<68>Gaの選択的かつ迅速な溶離が達成された。
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