研究概要 |
本研究では、^<68>Ge/^<68>Gaジェネレータシステムの構築を目的に,物理的構造特性の異なる有機高分子母体に,メチルグルカミン(MG)を導入した^<68>Ge吸着剤を合成し,高分子母体がジェネレータの性能に与える影響と,ジェネレータから得られた^<68>GaのPET用薬剤調製への適用について検討した。 Glycidyl methacrylate(GMA)及びEthylene glycol dimethacrylate(EG)に,Methyl iso-butyl ketone(MIBK,多孔化剤)を混合し,比表面積が100m^2以上の高分子母体(PGMA-EG)を合成した。さらに,MGを付加しPGMA-EG-MGへ誘導した。PGMA-EG-MGを充てんしたカラムに,^<68>Ga溶液を通液してジェネレータを作製した。^<68>Gaと^<68>Gaの放射平衡に到達後,0.1MNa_3citrate溶液で溶出させた^<68>Gaを用いて,DOTATOCの標識を行った。DOTATOCはソマトスタチン受容体に対して選択的結合性を示し,腫瘍診断を目的とした薬剤として使用される。DOTATOCの^<68>Ga標識では,ジェネレータから溶出した^<68>Ga溶液の一定量とDOTATOCを混合し,配位子交換を利用した標識反応の後、HPLCで分析した。得られたラジオクロマトグラムには、ジェネレータから溶出したGa citrateの保持時間(1.5min)とは異なる保持時間(8min)に放射能ピークが観察された。さらに,非放射性GaとDoTATOCの錯体を同条件下で分析すると,220nmにおけるUV吸収ピークも保持時間(8min)に観察された。以上のように,^<68>Ga標識DOTATOCの生成が確認できたことは,PGMA-EG-MGを吸着剤として用いたジェネレータが,^<68>Ga標識PET用薬剤の調製に適用できることを示している。
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