• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

リンパ球ホーミングにおける硫酸化糖鎖の多重機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18390029
研究機関静岡県立大学

研究代表者

川島 博人  静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (50260336)

研究分担者 村井 稔幸  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20311756)
今井 康之  静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80160034)
キーワード糖鎖 / 免疫学
研究概要

リンパ球は、高内皮細静脈(HEV)との多段階からなる一連の相互作用を介してリンパ節実質に移行し、免疫応答を開始する。我々はこれまでに、硫酸基転移酵素遺伝子欠損マウスを用いて、第一ステップにおけるL-セレクチンを介したリンパ球のローリングにはユニークな構造を持つ硫酸化糖鎖PNAd(peripherallymph node addressin)が必須の役割を果たすことを示して来た(Nature Immunology, 6:1096-1104,2005)。一方、第二ステップでは硫酸化糖鎖の一種であるヘパラン硫酸がHEV上におけるケモカインの提示に関与すると考えられているが、in vivoにおける十分な証明はない。本研究では、新たに樹立するHEV特異的Creリコンビナーゼ発現マウスを用いてHEV特異的に硫酸化糖鎖発現の改変を行い、HEVにおけるケモカイン提示分子の実体を解明することを目的とする。本年度は、硫酸基転移酵素GlcNAc6ST-2がHEV特異的に発現することに着目して、同遺伝子のプロモーター/エンハンサーの支配下にCreリコンビナーゼを発現する新規トランスジェニックマウス(GlcNAc6ST-2-Cre Tg)の作製をおこなった。ROSA26レポーターマウスと掛け合わせて組織学的検討をおこなったところ、GlcNAc6ST-2-Cre Tgにおいては末梢リンパ節HEVに強くCreリコンビナーゼを発現することが確認された。今後、このマウスを用いてHEV特異的に硫酸化糖鎖合成酵素の遺伝子改変を進め、HEV上におけるケモカイン提示分子の解明を進める予定である。また本年度は、蛍光試薬を用いて硫酸化糖鎖を簡便かつ高感度に分析する方法の開発を試みた。はじめに糖タンパク質よりアンモニア/ホウ酸により還元末端がインタクトな糖鎖を切り出し、2-アミノベンズアミド(2-AB)による蛍光標識を行い、順相系および逆相系HPLCの双方を用いた二次元HPLCにより分離・分析を行った。この糖鎖分析法は、今後ケモカイン提示分子の糖鎖分析に応用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Critical functions of N-glycans in L-selectin-mediated lymphocyte homing and recruitment.2007

    • 著者名/発表者名
      Mitoma J., et. al.
    • 雑誌名

      Nature Immunology 8

      ページ: 409-418

    • 査読あり
  • [学会発表] 硫酸基転移酵素欠損マウスにおける鼻粘膜免疫応答の低下2007

    • 著者名/発表者名
      平川城太朗, ほか
    • 学会等名
      第27回日本糖質学会年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20070801-03
  • [学会発表] Essential Role of Sulfated Glycans in Lymphocyte Recruitment to Nasal-Associated Lymphoid Tissues and Immune Responses against Inhaled Allergens.2007

    • 著者名/発表者名
      Hirakawa J., et. al.
    • 学会等名
      XIX International Symposium on Glycoconjugates
    • 発表場所
      Cairns, Australia
    • 年月日
      20070715-20
  • [学会発表] 簡便なO-結合型糖鎖分析法の確立とその応用2007

    • 著者名/発表者名
      木村文穂, ほか
    • 学会等名
      平成19年度 日本薬学会東海支部例会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2007-12-08
  • [学会発表] スギ花粉抗原Cry j 1のフコース含有糖鎖による抗原性の修飾2007

    • 著者名/発表者名
      小野田 貢, ほか
    • 学会等名
      平成19年度 日本薬学会東海支部例会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2007-12-08
  • [学会発表] 粘膜リンパ組織高内皮細静脈における硫酸化糖鎖の役割2007

    • 著者名/発表者名
      平川城太朗, ほか
    • 学会等名
      第71回日本生化学会中部支部例会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2007-05-19
  • [備考]

    • URL

      http://sys.u-shizuoka-ken.ac.jp/~bisei/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi