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2007 年度 実績報告書

メタロ-β-ラクタマーゼの構造的基盤に基づいた特異的阻害剤の精密設計

研究課題

研究課題/領域番号 18390038
研究機関熊本大学

研究代表者

黒崎 博雅  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (70234599)

研究分担者 山口 佳宏  熊本大学, 環境安全センター, 准教授 (10363524)
キーワードβ-ラクタム剤 / 感染症 / 阻害剤 / ラクタマーゼ
研究概要

本研究では、新興薬剤耐性基盤メタロ-β-ラクタマーゼを標的とし、その基質加水分解機構の解明と三次元立体構造に立脚した阻害剤の開発を目的とした。
本年度は、メルカプトカルボキシレート化合物(rac-2-ω-phenylpropyl-3-mercapotpropionicacid)と特に欧州の医療施設で問題となっているVIM-2型メタロ-β-ラクタマーゼの複合体の結晶化に成功し2.3Åの分解能で立体構造を決定した。VIM-2とPhenylC3SHとの複合体の全体構造は他のメタロ-β-ラクタマーゼで見られるαβ/βα sandwich構造を形成していた。VIM-2の分子中には阻害剤であるPheny1C3SHが-分子が存在することがわかった。VIM-2のloop1にあるPhe61(42)のフェニル基は活性中心を向いており、阻害剤のメチレン鎖とCH-π相互作用していることがわかった。この複合体においてloop1が全体的に活性中心の入り口へ移動するように変化していることがわかった。特に、Phe61(42)では1.8Åの変化が見られた。IMP-1型メタロ-β-ラクタマーゼでは、Phe61(42)-Ala64(45)がloop1とされており、IMP-1では、VIM-2型のTyr67(47)とPhe61(42)がそれぞれVal67(31)とVal67(25)になっている。X線結晶構造解析から、IMP-1においてVIM-2で観測されたPhenylC3SHとの芳香間相互作用による複合体の安定化の寄与がないと考えられる。このことがPhenylC3SHのIMP-1とVIM-2に対する阻害効果の差を反映している要因の一つであることがわかった。従って、Loop1は今回の阻害剤だけではなく、基質の取り込み・結合に重要な役割を担っていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Crystallographic Investigation of the Inhibition Mode of a VIM-2 Metallo-β-lactamase from Pseudomonas aeruginosa by a Mercaptocarboxylate Inhibitor2007

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Y.
    • 雑誌名

      J.Med.Chem 50(26)

      ページ: 6647-6653

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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