研究課題/領域番号 |
18390046
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠原 洋之 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (00302612)
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研究分担者 |
大貫 玲子 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (70361607)
前田 和哉 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (00345258)
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キーワード | トランスポーター / 体内動態 / 胆汁排泄 / 腎尿細管分泌 / 肝シヌソイド側排出 / プローブ薬 / 生理学的モデル |
研究概要 |
HMG-CoA還元酵素阻害薬であるプラバスタチンをモデル化合物として用いて、細胞膜透過過程に飽和性を組み込んだ生理学的モデルを構築し。In vitroで測定された肝取り込み過程ならびに胆汁中への排泄過程に、in vitro-in vivo補正係数を用いて外挿したin vivoパラメーターを用いたところ、ラットにおいて静脈内投与、経口投与後の時間推移を説明できた。抗癌剤methotrexateとH1受容体拮抗薬fexofenadine_については、MRP3ノックアウトマウスでは血漿中濃度基準の胆汁排泄クリアランスは増加した。特に、methotrexateについて詳細に解析を行ったところ、肝取り込み過程、胆汁排泄過程には野生型マウスと同等であることから、MRP3はmethotrexateのシヌソイド側での排出に働いていることが示唆された。OAT1ならびにOAT3の遺伝子発現系を用いた解析から、抗ウイルス薬であるadefovirはOAT1の輸送活性が高く、反対にアンジオテンシンII受容体拮抗薬であるolemsartanはOAT3の輸送活性の方が高いことを両トランスポーターの過剰発現系で細胞内蓄積量を測定することで明らかにした。ヒト腎近位尿細管の側底膜側輸送を検出するための輸送評価系としてヒト摘出腎からスライスを調製し、両トランスポーターの発現量ならびに両トランスポーターの典型的基質であるp-アミノ馬尿酸とbenzylpenicillinを用いて評価した。その結果、mRNAの発現と輸送活性に大きなロット差はあったものの、OAT1とOAT3の間には良好な相関関係が見られ、両者の寄与率は議論可能であることが示唆された。また、MRP4の膜ベシクルで、olmesartanのATP依存的な取り込みが観察された。しかし、マウスでは腎排泄は糸球体濾過速度よりも小さいく、おそらく再吸収のため、Mrp4による分泌を検出できなかった。
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