研究課題/領域番号 |
18390053
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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研究分担者 |
鈴木 小夜 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90424134)
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キーワード | 薬剤感受性 / バイオマーカー / プロテオーム / 抗がん剤 / 個別化医療 / プロテインチップ / MALDI-MS / 個人差 |
研究概要 |
本研究では、抗がん剤反応性の個人差(レスポンダー・ノンレスポンダー、副作用発現の有無)の原因を薬効発現本体であるタンパク質を標的としたプロテオーム解析により解明し、指標となるタンパク質バイオマーカーの臨床応用実現を目的とする。本年度はまず、臨床応用に向けた基礎的研究として、薬剤感受性の異なる複数の大腸癌培養細胞株を用いてタンパク質発現プロファイルの比較解析を行い、薬剤感受性マーカー候補タンパク質の探索を試みた。 1.in vivo薬剤感受性評価:12種類の大腸癌培養細胞株を種々の抗がん剤(オキサリプラチン(L-OHP)、イリノテカン活性代謝物(SN38)、5-フルオロウラシル(5-FU)、シスプラチン(CDDP))で曝露し、MTS assayにより薬剤感受性を評価した。それぞれの細胞株の薬剤感受性に基づき、レスポンダーとノンレスポンダーに分類した。 2.プロテインチップによる薬剤感受性マーカーの探索:1で用いた細胞株のうち、起源を同一とする異なるクローンであり、L-OHPに対して有意に異なる感受性を示したDLD-1とHCT-15について細胞内タンパク質を抽出し、プロテインチップシステムによる網羅的なタンパク質発現パターンを比較した。その結果、分子量20kDa以下の低分子領域にDLD-1とHCT-15で発現量が著しく異なる数種類のタンパク質(ペプチド)を見出した。 3.MALDI-MSおよびMS/MS解析による候補タンパク質の同定に向けた準備:高精度・高感度のタンパク質構造解析を可能とするMatrix-assisted laser desorption/ionaization Mass spectrometry (MALDI-MS)装置および二次元電気泳動装置を用いて、前項で見出したバイオマーカー候補タンパク質の同定に現在取り組んでいる。
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