研究課題/領域番号 |
18390056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 尚武 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20004723)
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研究分担者 |
大和田 祐二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20292211)
阪上 洋行 北里大学, 医学部, 教授 (90261528)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 脳型FABP / 表皮型FABP, / 恐怖と不安、 / 統合失調症 / 樹状細胞型(E) / IL-12 |
研究概要 |
脳型(B-)と表皮型(E-)の脂肪酸結合蛋白(FABP)の遺伝子欠損マウスの作製を世界で初めて成功させた。B-FABPは胎児期脳室周囲層に強力発現され、成熟期にアストロサイトに限った発現がみられる。その欠損マウスは解剖・組織学的には異常は認められないが、行動解析により、不安と恐怖記憶の増強をしめし、生化学的解析では脳内n-3のDHA含量の少量減量が新生児期のみに認められた。さらに、統合失調症の生物学的標識として知られるprepulse inhibition(PPI)欠損に関して、B-FABP欠損マウスはPPIの減少を示した。この所見と遺伝子解析結果から、B-FABPが統合失調症発症の重要な分子である可能性が強く示唆された。一方、E-FABP欠損マウスは腹腔細菌注入感染による腹膜炎での死亡率が野生型に比して低かった。そのマウス由来の脾臓樹状細胞はLPS刺激によるIL-12p70産生およびp38MAPキナーゼとIkBaのレベルが野生型に比して昂進していた。この所見から、E-FABPが樹状細胞でのIL-12産生のネガティブ制御因子として作動することによって腹膜炎死亡率減少に導かれている可能性が強く示唆された。
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