研究分担者 |
萩原 治夫 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80189464)
青木 武生 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70150919)
鈴木 健史 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00261868)
松崎 利行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30334113)
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研究概要 |
細胞膜水チャネルのアクアポリン2(AQP2)は腎臓集合管の主細胞で発現していて,細胞内小胞膜に局在している。この小胞のAQP2は,バソプレシン刺激により細胞膜へとエクソサイトーシスされる。小胞膜が細胞膜と融合することでAQP2は細胞膜に移送され,細胞膜の水透過性を上昇させている。バソプレシン刺激のよる細胞内でのシグナル伝達にはプロテインキナーゼAが関与し,その活性化によりAQP2がリン酸化されることによってAQP2小胞の細胞膜への融合が起こるとされる。そこで,リン酸化AQP2を特異的に認識する抗体を作製するために,リン酸化AQP2部分ペプチドを抗原としてウサギを免疫した。得られた血清をアフィニティー精製し,得られた抗体を用いてラット腎臓でウエスタンブロッティングをおこなった。その結果,リン酸化AQP2抗体は,おおむねAQP2に相当する部位の蛋白を認識し,その結合は,リン酸化AQP2部分ペプチドでは阻害されるが,非リン酸化AQP2部分ペプチドでは阻害されないのを確認した。この抗体を用いて,水をロードしたラットと,バソプレシンを投与したラットについて,その腎臓クリオスタット切片を使って蛍光抗体法により免疫染色をおこなった。その結果,バソプレシン処理により細胞膜にリン酸化AQP2が出現した。ただし,水をロードした状態でも,細胞内小胞にあるAQP2のかなりのものに陽性反応が見られた。またAQP2を発現したMDCK培養細胞でも,フォルスコリン刺激を加えなくても細胞内小胞にリン酸化AQP2が見られた。このように,リン酸化AQP2は細胞膜に移行したAQP2のみならず,細胞内小胞のAQP2にも見られ,その性状については今後検討の予定である。
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