研究課題
基盤研究(B)
細胞表面機能分子の数が細胞内小胞からの移行や回収により調節される系は、腎臓での水の再吸収や血糖値恒常性の維持機構などにおいて重要な役割を果たしている。このようなエンドソーム・ポストエンドソーム系での小胞トラフィッキングにより調節されているものの中で、水チャネル・アクアポリン2(AQP2)をモデルとしてその分布と調節機構を解析した。アクアポリン2とインスリン刺激によりトラフィッキングの調節がおこるグルコーストランスポーター4(GLUT4)あるいはGFP標識GLUT4をMDCK細胞で同時に発現させたところ、アクアポリン2とGLUT4はそれぞれ独自の分布局在パターンをとった。さらにフォルスコリン刺激によりアクアポリン2を細胞膜へと移行させたり細胞内へのリサイクリング過程を追跡してみても、GLUT4の分布・局在はほとんど影響されなかった。この結果は、アクアポリン2とGLUT4は、ポストエンドソーム域においてその局在と動態はそれぞれ独自のものであることを示していて、ポストエンドソーム域がヘテロな小胞集団であることを示唆している。次にアクアポリン2小胞のリン酸化による調節を、リン酸化アクアポリン2を特異的に認識する抗体を作製し、ウエスタンブロット法と蛍光抗体法や免疫電顕法により観察した。その結果、リン酸化アクアポリン2が細胞内でもある一定レベル存在することが判明した。
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