研究課題/領域番号 |
18390072
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三輪 聡一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40157706)
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研究分担者 |
西屋 禎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80399831)
西本 新 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90396325)
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キーワード | エンドセリンA型受容体 / 酵母ツーハイブリッド法 / 蛋白質間相互作用 / Jab1 / 蛋白質分解 |
研究概要 |
酵母ツーハイブリッド法を用いて、エンドセリンA型受容体(ET_AR)のC末端領域(ET_AR C-tail)に結合する新規蛋白質分子としてJab1を得た。まず、ET_ARとJab1との蛋白質間相互作用をGST pull-down assayおよび免疫沈降法によって確認するとともに、細胞膜上において共存していることを明らかにした。次にJab1過剰発現によるET_ARレベルの変化を検討したところ、ET_ARレベルの低下が認められ、さらに蛋白質合成阻害剤であるシクロヘキシミド処理後のET_AR分解速度がJab1過剰発現下で促進することが明らかとなった。また、リソソームおよびプロテアソームの蛋白質分解酵素阻害剤であるクロロキンおよびMG-132で処理をしたところ、クロロキン処理細胞においてJab1過剰発現下でET_ARの蓄積が増大したが、MG-132処理細胞では変化がみられなかった。このことから、Jab1によりET_ARのリソソームでの分解が促進されていると考えられた。さらに蛋白質分解に関わる翻訳後修飾として知られるユビキチン化を検討したところ、ET_ARは恒常的にユビキチン化を受けており、それはJab1過剰発現によって増加することが明らかとなった。以上の結果から、Jab1はET_ARのユビキチン化を促進することによりリソソームでの分解を亢進すると考えられた。今後、心不全、高血圧や動脈硬化症などの病態モデル動物を用いて、Jab1によるET_ARレベル調節の病態学的意義を明らかにしていく予定である。
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