研究課題/領域番号 |
18390081
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 智 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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研究分担者 |
工藤 崇 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (20288062)
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キーワード | 大Maf群転写因子 / マクロファージ / 血球分化 / 遺伝子改変マウス / c-Maf / MafB |
研究概要 |
1)大Maf群転写因子欠損マウスにおける血球分化の解析 MafA、MafB、c-Maf及びNrl欠損マウスの血液系の異常を組織解析及びコロニーアッセイにより詳細に解析し、単球・マクロファージ系列細胞における各因子の発現状態・表現型を同定した。その結果、MafB欠損マウスではF4/80陽性のマクロファージの数が減少すること、M-CSFに対する反応性に変化が見られることが明らかとなった。 2)microarrayによる単球・マクロファージ系列細胞における標的遺伝子の解析 マウス全遺伝子に対するmicroarray解析を行い、MafBおよびc-Mafの特異的な標的遺伝子を明らかにした。また、同定された遺伝子についてRealtime-PCR解析を行い、発現量の変化を確定した。その結果、MafB欠損マウスでは、抗アポトーシス活性を有しているAIM遺伝子の発現が顕著に減少していることが明らかとなった。AIMは酸化ストレスや脂質ストレスに対してマクロファージの細胞死を抑制する遺伝子であり、今後様々な病態との関連が予想される。 3)MafB+/-::c-Maf+/-重複ヘテロ欠損マウスの解析 これまでの研究で、MafB及びc-Mafが単球・マクロファージ系列の細胞に発現していることが明らかにされている。また、これら2つの転写因子間に相補的な作用が存在することが示唆されている。それぞれの単独欠損マウスは、出生直後に死亡してしまうため、現状では成体での解析を行うことが出来ない。そこで相補的作用を証明するために、重複ヘテロ欠損マウスを作製し、解析した。その結果、重複欠損マウスでは胎生の12.5日で全てのマウスが死亡すること、その死亡は胎児造血の異常によること、胎児造血の異常は胎児肝臓で血島を形成しているマクロファージの機能異常によることが明らかとなった。
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