研究課題/領域番号 |
18390087
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 敏一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00049397)
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研究分担者 |
松本 邦夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90201780)
水野 信哉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10219644)
町出 充 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90346198)
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キーワード | HGF / Met / 細胞増殖制御 / 細胞内シグナル伝達 / 分子機構 / フォスファターゼ / 高密度培養 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
I. LARこよるチロシン脱リン酸化を介したHGF/Metスイッチ制御 細胞増殖におけるcontact inhibitionの分子機構解明は癌悪性化予防のみならず生物学的基盤を構築する上で重要な意義を持つ。以上の観点から、本年度は初代培養肝細胞を用いてHGFの受容体Metのシグナル伝達制御によるcontact inhibitionの分子機構を解析した。 1)低密度培養下で肝細胞をHGFで刺激すると、Metチロシンリン酸化の持続とともにDNA合成が高まった。 2)一方、高密度培養ではフォスファターゼの誘導に一致してHGFによるチロシンリン酸化は減弱し、これに一致して細胞増殖は制御されていた。 3)そこでこのフォスファターゼを分子量の大きさから推測したところ、LARであることを突き止めた。 4)高密度培養で培養した肝細胞にLARアンチセンス遺伝子を導入したところ、Metチロシンリン酸が維持され、confluentな状態にも関わらず細胞増殖が持続する事が判明した。 以上の成果はMachide-M et al., J Biol Chem(2006)に報告した。 II. Met-JM欠損マウスの作成 私達は培養細胞を用いた研究からMet-juxtamembraneドメイン(Met-JM)のある985番目セリンがMetチロシンリン酸化を制御しうる事を明らかにしていた。しかしながらMet-JM領域が生体組織にどのような生理的機能を持っているかについては不明であった。そこの本年度は個体発生に対するMet-JM領域の機能を明らかにすべく、Met-JM領域欠損マウスの作成に着手した。 1)ターゲッティングベクターを作成、ES細胞にエレクトロポレーション法により導入し、サザン解析によりMet-JM変異体ポジティブクローンを選択した。 2)このES細胞をマウス受精胚にマイクロインジェクションし、胚卵管移植によりキメラマウスを得た。 3)キメラよりヘテロマウスを作成、ヘテロ同士の交配よりホモ、ヘテロ、ワイルドマウスの個体を得た。
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