研究課題
本研究は、活性酸素を生成する酵素であるNADPHオキシダーゼ(Nox)ファミリーの活性化制御機構を、分子レベルで多元的に理解しようというものである。そのために、個々のNox活性化蛋白質(p47^<phox>,Noxo1,p67^<phox>,Noxa1,Rac等)の調節機構を、蛋白質ドメインとその役割解明という観点から、分子レベルおよび細胞レベルで詳細に解析するとともに、これらの分子の3次構造情報をも得ながら、Nox制御機構の時間的空間的な全体像を明らかする計画である。平成18年度に私達は以下のような成果を得た。(1)Nox1活性化を低分子量G蛋白質Racが正に制御すること、RacはNoxa1と結合することにより作用すること、またこの結合によりNoxa1の膜移行とコンフォメーション変化の両者を誘導されることが重要であること、等を明らかにした。更に、Noxo1自体が分子内結合により負に調節されていること、及びNoxo1の活性化に翻訳後修飾が関与することを示した。(2)Nox2の活性化に関与するp40^<phox>は、N末から「PX-SH3-PB1」というドメイン構造をしている。「p40^<phox>-PXによるPI3P結合」が、PB1ドメインがPXドメインと分子内結合することによって負に調節されていること、その結果、「p40^<phox>のファゴゾーム膜への移行」も抑制されることを明らかにした。また、全長型p40^<phox>の結晶構造を解明した。(3)Nox3の活性化にもRacが関与することを明らかにし、特に、p67^<phox>存在下でのNox3活性化にRacが重要な役割を果たすことを示した。
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