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2006 年度 実績報告書

生理活性脂質受容体と免疫・炎症反応

研究課題

研究課題/領域番号 18390096
研究機関九州大学

研究代表者

横溝 岳彦  九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (60302840)

研究分担者 奥野 利明  九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (60361466)
中村 崇規  九州大学, 大学院医学研究院, 技術専門職員 (10380643)
キーワード脂質 / 免疫学 / 生体分子 / 遺伝子
研究概要

1)樹状細胞におけるロイコトリエンB4受容体BLT1の役割
マウス樹状細胞にBLT1の発現が認められた。骨髄由来の樹状細胞(BMDC)はLTB4に対して、ベル型の走化曲線を有する走化性を示したが、この走化性はBLT1欠損マウスの樹状細胞で消失していたため、BLT1を介しているものと考えられた。ヒト単球由来樹状細胞にもBLT1が発現していた。BMDCの培養上清中のサイトカイン産生を定量したところ、BLT1欠損BMDCではIL-12の産生が低下しており、混合リンパ球培養試験におけるT細胞の活性化が、BLT1欠損樹状細胞を用いた場合に減弱していた。また、外来抗原感作・惹起による遅延型過敏反応がBLT1で大きく減弱していた。以上から、樹状細胞に発現するBLT1はTh1型の免疫反応を亢進させる役割を有していることが示唆された。
2)BLT1のGタンパク質共役部位の同定
BLT1受容体はGiとG16という薬理学的に異なる三量体Gタンパク質を活性化することが知られているが、BLT1のどのドメインが両者を区別しているのかは明らかではなかった。BLT1のGタンパク質共役部位を同定する目的で、BLT1の細胞内ループの4アミノ酸を一単位として、全てアラニンに置換した変異受容体を合計14個作成し、おのおのの変異型受容体の細胞内シグナル伝達を観察した。第三細胞内ループのアミノ末端に存在するi3-1に変異を加えたBLT1は、G16を正常に活性化するが、Giは全く活性化出来ず、この部位でGiタンパク質を認識していることが明らかとなった。i3-1変異型BLT1は細胞内カルシウム上昇は正常であるが、アデニル酸シクラーゼの抑制とLTB4に対する細胞走化性を消失しており、Giタンパク質の活性化ができないことを裏付けている。興味深いことにGiを活陛化出来ない変異BLT1は、高親和性のLTB4結合能を失っており、Giタンパク質との共役によって高親和性の構造をとることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of the Intracellular Region of the Leukotriene B4 receptor type-1 that Specifically Involves in Gi-Activation.2007

    • 著者名/発表者名
      Kunieda, K., 他5名
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 282

      ページ: 3998-4006

  • [雑誌論文] Attenuation of folic acid-induced renal inflammatory injury in platelet-activating factor receptor-deficient mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Doi, K., 他12名
    • 雑誌名

      Am. J. Pathol. 168

      ページ: 1413-1424

  • [雑誌論文] Crystal structure of anti-configuration of indomethacin and leukotriene B-4 12-hydroxydrogenase /15-oxo-prostaglandin 13-reductase complex reveals the structural basis of broad spectrum indomethacin efficacy.2006

    • 著者名/発表者名
      Hori, T., 他5名
    • 雑誌名

      J. Biochem. 140

      ページ: 457-466

  • [雑誌論文] The Lipoxin receptor ALX : Potent ligand-specific and stereoselective actions in vivo.2006

    • 著者名/発表者名
      Chiang N, 他7名
    • 雑誌名

      Pharmacol. Rev. 58

      ページ: 463-487

  • [雑誌論文] 生理活性脂質ロイコトロエンB4とその受容体2006

    • 著者名/発表者名
      横溝岳彦
    • 雑誌名

      福岡医学 97

      ページ: 183-191

  • [雑誌論文] 脂質因子による免疫反応の制御2006

    • 著者名/発表者名
      横溝岳彦
    • 雑誌名

      感染 炎症 免疫 36

      ページ: 196-205

  • [図書] 実験医学増刊・シグナル受容機構と生理機能の解明2006

    • 著者名/発表者名
      横溝岳彦
    • 総ページ数
      222
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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