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2008 年度 実績報告書

生理活性脂質受容体と免疫・炎症反応

研究課題

研究課題/領域番号 18390096
研究機関九州大学

研究代表者

横溝 岳彦  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60302840)

研究分担者 奥野 利明  九州大学, 医学研究院, 助教 (60361466)
キーワード生理活性脂質 / 受容体 / 遺伝子欠損マウス
研究概要

本年度は主として以下の3つの実験系を用いてBLT1,BLT2の生体内での役割の解明を目指した。
DSS誘導性腸炎モデルにおけるBLT2の保護的役割:BLT2はマウス腸管に高く発現していることから硫酸デキストラン(DSS)投与による腸炎モデルを作成したところ、BLT2欠損マウスでは野生型マウスよりも大きな体重減少と致死率を示した。腸管上皮細胞におけるCCL9,19などのケモカイン、TGF-βやIFN-γといったサイトカインの産生が上昇していることが原因として考えられた。腸管上皮細胞で転写因子Stat3のリン酸かが亢進しており、これが炎症性サイトカインの発現上昇の原因であった。以上からBLT2とそのリガンドである12-HHTは腸管上皮細胞の維持を通じて腸管に保護的な作用を有することが明らかとなった。
マクロファージ刺激におけるBLT1、BLT2の役割:マウス腹腔マクロファージと胎児線維芽細胞(MEF)をLPS、IFNγで刺激した際の炎症性サイトカイン産生におけるBLT1,BLT2欠損の影響を観察したが、遺伝子欠損マウスと野生型マウスの間に差を認めなかった。以上から、マクロファージとMEFからのサイトカイン産生には、BLT1,BLT2は影響を与えていないことがわかった。
マスト細胞におけるBLT1.BLT2の役割:マウス骨髄由来マスト細胞(BMMC)がBLT1,BLT2を発現しそれぞれLTB4、12-HHTを介した細胞遊走を引き起こすことから、マスト細胞のFcε受容体を架橋刺激した際の細胞内カルシウム上昇と炎症性サイトカイン産生を測定した。BLT1,BLT2をそれぞれ欠損するマスト細胞は正常なカルシウム上昇と炎症性サイトカイン産生を示したことから、マスト細胞に発現するBLT1,BLT2は、主としてマスト細胞の移動のみに関与していると考えられた。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 12(S)-Hydroxyheptadeca-5Z, 8E, 10E-trienoic acid is a natural ligand for leukotriene B4 receptor 2.2008

    • 著者名/発表者名
      Okuno, T, 他5名
    • 雑誌名

      J. Exp. Med. 205

      ページ: 759-766

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of an orphan G protein-coupled receptor, GPR20, that constitutively activates G_i proteins.2008

    • 著者名/発表者名
      Hase M, 他3名
    • 雑誌名

      J. Biol. Cbem. 283

      ページ: 12747-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Leukotriene B4/Leukotriene B4 receptor pathway is involved in hepatic microcirculatory dysfunction elicited by endotoxin.2008

    • 著者名/発表者名
      Ito, S, 他7名
    • 雑誌名

      Shock 30

      ページ: 81-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] BLT2 is expressed in PanINs, IPMNs, pancreatic cancer and stimulates tumoour cell proliferation.2008

    • 著者名/発表者名
      Hennig, R, 他10名
    • 雑誌名

      Br. J. Cancer 99

      ページ: 1064-1073

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Helix 8 of leukotriene B4 type-2 receptor is required for the folding to pass the quality control in the endoplasmic reticulum.2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuda, D, 他8名
    • 雑誌名

      Faseb J (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Generation and characterization of a novel high-affinity monoclonal antibody for FLAG tag.2008

    • 著者名/発表者名
      佐々木文之, 他3名
    • 学会等名
      第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] ロイコトリエンB4第一受容体BLTIと血小板活性化因子受容体PAFRの脱感作機構2008

    • 著者名/発表者名
      荒武良総, 奥野利明, 横溝岳彦
    • 学会等名
      第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] ロイコトリエンB4第二受容体BLT2の生体内リガンドの同定2008

    • 著者名/発表者名
      奥野利明, 横溝岳彦, 他2名
    • 学会等名
      第81回日本生化学会大会合同大会(シンポジウム)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] ロイコトリエンB4第二受容体(BLT2)の生体内リガンドは12-HHTである2008

    • 著者名/発表者名
      奥野利明
    • 学会等名
      第50回日本脂質生化学会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2008-06-06
  • [学会発表] ロイコトリエンB4第二受容体(BLT2)の生体内リガンドはシクロオキシゲナーゼ産物12-HHTである2008

    • 著者名/発表者名
      奥野利明
    • 学会等名
      日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-05-18
  • [図書] 炎症・再生医学事典(プロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンの章を担当)

    • 著者名/発表者名
      横溝岳彦
    • 出版者
      朝倉書店(印刷中)
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.kyushu-u.ac.jp/biocheml/publlcation.Html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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