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2008 年度 実績報告書

遺伝子改変マウスを用いた遺伝性アミロイドーシス予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18390098
研究機関山梨大学

研究代表者

前田 秀一郎  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10117244)

キーワード遺伝子改変マウス / アミロイドーシス / 血清アミロイドP成分 / アルツハイマー病 / 老化アミロイドーシス
研究概要

血清アミロイドP成分(SAP)は、種々のアミロイドーシスで沈着するアミロイドに共通して存在し、アミロイド形成を促進することが示唆されている。そこでSAPがアミロイド形成に果たす役割を明確にできれば、アミロイドーシスの予防法の開発を促進できる可能性があると考えられる。そこで、独自に作成した無Sapマウスと脳に限局してAβアミロイドが沈着するアルツハイマー病のモデルマウス(Tg2576)及び全身諸臓器にアポリポ蛋白質AIIアミロイド(AApoAII)が沈着する老化アミロイドーシスモデルマウスを用い、Sapがこれらアミロイド沈着にどう影響するかを検討した。
この結果、8〜25ヶ月齢のSap^<-/->/Tg2576と対照Sap^<+/->/Tg2576、各38匹の脳内Aβ沈着程度に差異を認めなかった。本結果は、Aβ沈着にSapが関与しないか、血液脳関門により、Sapの脳実質への移行が阻止されていることを示唆する。一方、11ヶ月齢のSap^<-/->老化アミロイドーシスモデルマウス11匹と対照Sap^<+/->老化アミロイドーシスモデルマウス9匹における全身のAApoAII沈着程度は、共に軽度で差異を認めなかった。また、17〜18ヶ月齢のSap^<-/->/老化アミロイドーシスモデルマウス17匹と対照Sap^<+/->老化アミロイドーシスモデルマウス13匹における全身のAApoAII沈着程度は、11ヶ月齢より増加していたが、2群間に差異を認めなかった。本実験では、マウスにAApoAIIアミロイド線維核を投与して、AApoAII沈着を誘導した。従って本結果は、アミロイド線維核形成後のAApoAII線維形成機構にSapが関与していないことを示唆する。今後、線維核を投与しない実験系での解析が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Transthyretin Accelerates Vascular Aβ Deposition in a Mouse Model of Alzheimer's Disease2009

    • 著者名/発表者名
      Wati H, Kawarabayashi T, Matsubara E, Kasai A, Hirasawa T, Kubota T, Harigaya Y, Shoji M, Maeda S
    • 雑誌名

      Brain Pathology 19

      ページ: 48-57

    • 査読あり
  • [学会発表] アミロイドーシス発症への血清アミロイドP成分の関与に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      竹本恵子, 盧山, HENNY WATI, 瓦林毅, 松原悦朗, 東海林幹夫, 樋口京一, 前田秀一郎
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会第81回日本生化学会大会合同年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20081209-20081212
  • [図書] Transthyretin, the thyroid hormone distributor protein : its functions, evolution and role in human diseases2009

    • 著者名/発表者名
      Ito S, Maeda S
    • 出版者
      Springer(In press)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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