研究課題
LKB1によるSIK制御をLKB1欠損HeLa細胞で検討した。SIKのLKB1リン酸化Thrのリン酸化状態と生理・病態との相関関係を抗体検出法を用いて検討した。結果、LKB1欠損状態では全てのSIKアイソフォームは活性を持っておらず、SIK下流で基質となるTORCも全てのアイソフォームで脱リン酸化状態であった。LKB1を発現させると、SIK-TORCのリン酸化が回復した。さらにTORCが活性化させるcAMP依存的転写は、LKB1存在下で低いバックグラウンドと高い誘導を示した。他のSIK活性化分子であるGSK3の作用機構の解明は、COS細胞と筋肉細胞C2C12株を利用した。GSK3はSIKの自己リン酸化を認識して、LKB1でリン酸化される部位のリン酸化(活性化)の維持に作用していた。SIKの不活性化(フォスファターゼの関与)の分子機構とLKB1の関係を検討した。SIKのPKAリン酸化ドメインの機能単位の同定を行った結果、ドメイン3と呼ぶ部分の上流にさらにもう1カ所のリン酸化領域が存在することが明らかとなった。これらが、PKAによるSIKリン酸化を介したTORC抑制能の解除機構であった。Ca2+シグナルのSIK制御の検討並びに、類似作用を示すシグナルをシグナルライブラリーの構築とスクリーニングで行った。結果、CaMKKがLKB1と類似の効果を発揮することが見いだされた。糖の利用が高まり、ATP濃度が上昇するとCa2+がCaMKKを活性化させることにより、SIKも活性化された。最後に、SIK2-KOマウスの作成に成功した。
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