研究課題/領域番号 |
18390104
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
|
研究分担者 |
小畑 利之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (40325296)
湯浅 智之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50304556)
勅使河原 匡 徳島大学, 分子酵素学研究センター, COE研究員 (40403737)
|
キーワード | インスリン / シグナル伝達 / GLUT4トランスロケーション / AS160 / Gq共役受容体 |
研究概要 |
インスリン作用の中で最も重要なものの1つが、膜を12回貫通するGLUT4のトランスロケーションと、その結果起こるグルコースの細胞内への取り込み促進である。GLUT4トランスロケーションには、PI3-キナーゼとAkt2の活性化が必須であること、GLUT4はインスリンによりのみ制御されると考えられていたが、三量体GタンパクのGqを活性化するような生理活性物質によってもおこることを発見した(J.Biol.Chem.,1996,Diabetes 1998)。最近、申請者らはGq共役受容体刺激によって、AMP protein kinase(AMPk)が活性化されることを初めて見出した(B.B.R-C.2000)。この酵素はインスリン刺激によっては活性化されず、細胞内の高分子合成を抑制し、ATPを生産する方向に細胞内代謝を向かわせるkey enzymeである。インスリンにより取り込まれたグルコースはanabolicに(エネルギーの貯蔵)、Gq共役受容体を介して取り込まれたグルコースはcatabolicに(その臓器の機能のためのエネルギー源)代謝され、同じ取り込まれたルコースでもその代謝運命は異なると考えられた。AS160はインスリンで活性化されたAktによりリン酸化されGLUT4のトランスロケーションに関与していることが報告された。Gqを介するGLuT4トランスロケーションもこのAs160を介している可能性が考えられた。そこでGq刺激後AS160のリン酸化を調べたところ、リン酸化されていることがわかった。GqはAktを活性化しないのでGqの下流にある他のキナーゼを同定する必要があるが、GqによるGLUT4トランスロケーションにもAS160が関与している可能性が高いと考えられた。
|