研究課題
各種細胞株(ヒト肺癌由来細胞株、ヒト胎児腎由来細胞株、マウス胎児線維芽細胞、GFP-LC3導入細胞、Atg5ノックアウト細胞)を用いてP.acnes菌体や」初期エンドゾーム、オートファゴゾーム、リソソームに蛍光標識をつけて感染後の本菌の細胞内動態につき、1、BacLightによる細胞内動態2、初期endosome (EEA1)とP.acnesの局在3、GFP-LC3(オートファゴゾーム)とP.acnesの局在.4、Lysosome (lyso Tracker)とP.acnesの局在に関する検討を行った。これらの解析からP.acnesの潜伏感染と細胞内増殖の可能性を示唆する結果が得られた。すなわちエンドゾームより侵入したP.acnesの一部はエンドゾーム内に留まり潜伏感染が成立する。なんらかの要因により一部はエンドゾーム内にて細胞内増殖を引き起こし菌体が細胞質内へ脱出する。これを細胞が認識してオートファジーが誘導されているらしいことが判明した。オートファジーにより取り込まれた菌の多くはその後リソゾームによる消化を受けて処理される一方で、その一部はその消化から回避してさらに長期の潜伏感染の原因になる可能性が示唆された。今後は、このオートファジーの誘導という自然免疫系の反応から、MHCクラスIIを介したTh1系への抗原提示、それに引き続く遅延型免疫反応による肉芽腫形成への機構を明らかにする予定でいる。また、本年度は、サルコイドーシス患者末梢血から抽出したDNAを対象にオートファジー関連蛋白であるAtg5の全長解析を行なったが、すべての患者において本遺伝子内にアミノ酸変異は認められなかったことから、今後は他のオートファジー関連遺伝子の解析も逐次行なっていく予定でいる。
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