研究課題
1・GFP-LC3遺伝子導入細胞株を用いた経時的観察:細胞内感染後のP.acnes菌体の動態について、蛍光顕微鏡および電子顕微鏡による観察により詳細な検討を行った。細胞膜に接着した菌体はエンドサイトーシスにより細胞内に侵入していた。細胞内に侵入したP.acnes菌体は感染後10時間からGFP-LC3に標識されたオートファゴソーム膜に囲まれ、その後時間経過とともにCy5-LAMP-1抗体で標識したリソソームとの融合によりLC3とともに菌体の多くは消化されていった。感染後24時間の時点においても細胞内にはLC3・LAMP-1のシグナルと一致した菌体が観察された。電子顕微鏡での観察所見も含め、細胞内に侵入した菌体はエンドソームから細胞質に出ることでオートファジーが誘導されると考えられ、細胞内増菌時は過剰なオートファジーの誘導が惹起されるものと推測される。2.リソソーム阻害剤添加による変化:リソソーム阻害剤であるbafilomycin添加により細胞内の菌体数は増加した。菌体は初期エンドソームのマーカー(EEA1)とも重ならず、細胞質内に脱出および増菌している可能性があり、今後オートファジーの誘導を促進しているかどうかを明らかにする予定である。3.サルコイドーシス患者を対象にオートファジー関連蛋白Beclin 1の全長解析:22例においてexon 1-12を解読したが、アミノ酸変異は認められなかった。同様にAtg5にも変異はまったく認められないことから、オートファジー関連蛋白は宿主において生存に重要な蛋白であると考え、今後はオートファジー関連蛋白そのものではなくオートファジーを誘導しうる細胞内受容体NOD familyなどの関与について検討を進める。最終的にはP.acnesがオートファジー機構によりMHCクラスIIを介し、Th1型の免疫反応を引き起こしていることを明らかにする予定である。
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