研究課題/領域番号 |
18390114
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
前田 盛 神戸大学, 名誉教授 (50030911)
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研究分担者 |
北澤 荘平 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90186239)
北澤 理子 神戸大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00273780)
近藤 武史 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20335441)
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キーワード | 非CpG-island / メチル化シトシン / 遺伝子プロモータ / 膀胱癌 / BAMBI / 転写制御 / 膵癌 / TrkA |
研究概要 |
種々の遺伝子の転写調節領域に存在するCpG-islandのメチル化は、遺伝子発現を抑制的に制御するが、私どもは、非CpG-islandのシトシンメチル化による転写制御について検討した。神経成長因子(NGF)の高親和性受容体TrkA遺伝子プロモータ領域には、典型的なCpG-islandはなく、非CpG-islandに位置するAP-1類似配列(TGAGCGA)が存在する。種々の膵癌、大腸癌培養細胞の解析で、高度メチル化の細胞株では、メチル化のない細胞に比して、TrkA発現が高いことから、同部位のシトシンメチル化が、TrkA遺伝子の転写を促進する機構を解析した。培養細胞への遺伝子導入実験により、AP-1類似配列が転写を抑制することを示し、シトシンメチル化は抑制性AP-1へのc-Jun蛋白の結合を阻害することによって、負に制御するシグナルがブロックして転写を促進することを示した。 Desmoid腫瘍症例で、β-catheninの点突然変異によるβ-cathenin蓄積を証明した。β-catheninは骨形成シグナルとして働くが、desmoid腫瘍では骨形成因子(BMP)の発現とともに、偽受容体BAMBIの高発現を認め、BAMBIがBMPシグナルを遮断することにより、骨形成を抑制することを示した。Desmoid腫瘍内の骨形成巣では限局的に、BMBI遺伝子プロモータのCpGメチル化によりBAMBI発現が低下することを、病理組織のmicrodissection検体を用いて、bisulfite mapping法にて明らかにした。さらに種々の癌において、CpGメチル化によるBAMBI抑制が、TGFβによる細胞増殖シグナルを抑制して、腫瘍の増殖・進展に関与する可能性について、膀胱癌、大腸癌、前立腺癌の病理組織検体を用いた解析を行った。膀胱癌に関しては、環境発癌因子や生活習慣の影響について、ミャンマーと本邦の検体を収集して、MSP、SSCP法での比較検討を開始した。 以上の研究成果の一部は、第96回日本病理学会総会にて発表するともに、学術誌投稿予定である。
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