研究課題
基盤研究(B)
ヒト間葉系細胞を、マウス胎児初代心筋培養細胞と共培養すると、自己拍動し心筋特有の活動電位を有する心筋細胞に分化する。再生心筋細胞の細胞源の一つとして骨髄は有名であるが、骨髄に比し本研究で重要な細胞ソースとして考えている子宮内膜・月経血は、若年者から得られ、大量の細胞が得られる点が利点で、心機能を改善できるだけの十分な細胞量を確保できる。また、臍帯血・胎盤は、あらゆるHLAをカバーできる細胞バンクを形成できる可能性がある。しかし心筋への分化誘導率の低い大量の細胞を保存することはコストパフォーマンス的に困難であり心筋誘導率の高い細胞を簡単に選定し濃縮する技術が必須となる。本研究は(1)様々な臓器由来のヒト間葉系幹細胞株から効率よく多量の分化心筋細胞を獲得する方法の確立、骨髄間葉系細胞を心筋細胞に分化誘導する分泌分子の単離精製と臨床応用を目指したin vivoでの効果の検討、(2)心臓幹細胞である心臓SP細胞の心筋細胞への分化誘導、(3)移植組織の血管新生の機序と促進因子の同定を目的とし、研究を遂行する。本研究は、心筋細胞分化および血管新生誘導因子という安全かつ効率のよい細胞移植治療確立のために欠くことのできない要素の集約的研究である。
すべて 2008
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PLoS One 3(6)
ページ: e2407