研究概要 |
ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)は黄色ブドウ球菌の産生する菌体外タンパク質で嘔吐誘導活性を示す一方、スーパー抗原活性を有することが知られている。しかし、両活性がSEA分子の同一部位で発現されているかどうかは明らかではない。 そこで、本年度の研究では以下の結果を得た。 1.SEA産生標準菌株FRI722株からゲノムDNAを抽出・精製し,sea遺伝子を発現ベクターpGEX-6p-1にクローニングした.組換えベクターを大腸菌に導入して,GST fusion protein systemによりタンパク発現系を構築した.Bulk GST Purification Modulesにより高純度のrSEAを大量に精製できた. 2.site-directed mutation法によりmutant SEAを発現できる大腸菌株を構築した.本年度では,SEA分子上の47,60,61,96,106,175,187,225,227番目のアミノ酸を変異させ,mutant SEAを作製・精製できた.また,deleted mutation法により嘔吐活性への関与が推測される部位を変異させ,mSEAを構築し,大量発現・精製できた. 3.mSEAとrSEAをそれぞれヒト末梢血単核球に対するマイトジェン活性とサイトカイン(IFN-γ,TNF-α,IL-2等)の産生誘導活性を調べ,変異後mSEAのスーパー抗原活性の有無,または欠損の程度を検討し,スーパー抗原活性が欠損していた変異毒素が得られた. 4.現在,作製したmSEAとrSEAを用い,嘔吐動物モデル・スンクスのT細胞に対するマイトジェイン活性と嘔吐誘導活性を検討中である.
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