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2006 年度 実績報告書

病原性大腸菌のIII型エフェクターの網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 18390136
研究機関北里大学

研究代表者

阿部 章夫  北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (50184205)

研究分担者 桑江 朝臣  北里大学, 北里生命科学研究所, 講師 (60337996)
キーワード腸管出血性大腸菌 / 腸管病原性大腸菌 / III型分泌装置 / エフェクター / siRNA / 下痢
研究概要

腸管出血性大腸菌/腸管病原性大腸菌の下痢発症は、III型分泌装置を介して宿主に移行するエフェクターの相乗作用によって誘導される。近年になってエフェクターの網羅的解析が行われ、39種のエフェクター候補が同定された(Tobe T.et al.,PNAS:103,14941-14946,2006)。申請者らはエフェクター特異的シャペロン、ならびにIS近傍に位置する遺伝子に着目し、コンピューター解析にて、50個のエフェクター候補を推定した。これら候補については各々クローニングを行い、blaMとの融合遺伝子を作製後、EHEC O157堺株に導入した。エフェクター遺伝子がBlaMと融合すると、菌体内の融合産物はIII型分泌装置を介して、菌体外に分泌される。すなわち培養上清から分泌タンパク質を調整し、坑Bla抗体にてウエスタン法を行うことでエフェクターの探索が可能となる。その結果、ECs3485,ECs0847,ECs3885,ECs0876,ECs1560,ECs3487,ECs1568の各クローンが、III型分泌装置依存的に分泌されることを明らかにしたが、これら7クローンは先に戸邉らが報告したエフェクター候補中に存在していた。
同定したエフェクター候補については、エフェクターと相互作用する宿主側因子をバクテリアのtwo-hybrid法にて同定する。現在、既知エフェクターを対照として、条件を検討している段階である。エフェクターとの相互作用が示唆された宿主側因子については、siRNAを用いて宿主側因子の発現をノックダウンさせた培養細胞にEHECを感染させ、感染後の細胞骨格因子の再構成・破壊の形態学的解析、細胞間バリアー機能の解析を行うことで、感染におけるエフェクターの役割について、分子細胞生物学的に理解する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Enteropathogenic Escherichia coil, Shigella flexneri, and Listeria monocytogenes recruit a junctional protein, zonula occludens-1, to actin tails and pedestals2007

    • 著者名/発表者名
      Miyuki Hanajima-Ozawa
    • 雑誌名

      Infection and Immunity 75

      ページ: 565-573

  • [雑誌論文] 細菌の病原因子注入装置 : TTSS2006

    • 著者名/発表者名
      阿部章夫
    • 雑誌名

      感染・炎症・免疫 36

      ページ: 34-41

  • [雑誌論文] BopC is a novel type III effector secreted by Bordetella bronchiseptica and has a critical role in type III-dependent necrotic cell death2006

    • 著者名/発表者名
      Asaomi Kuwae
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 6589-6600

  • [雑誌論文] Microtubule-severing activity of Shigella is pivotal for intercellular spreading2006

    • 著者名/発表者名
      Sei Yoshida
    • 雑誌名

      Science 314

      ページ: 985-989

  • [雑誌論文] Assembly of the type III secretion apparatus of enteropathogenic Escherichia coli2006

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Ogino
    • 雑誌名

      Journal of Bacteriology 188

      ページ: 2801-2811

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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