研究課題/領域番号 |
18390138
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
岡田 全司 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター, 臨床研究センター長 (40160684)
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研究分担者 |
吉田 栄人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10296121)
大原 直也 国立感染症研究所, 免疫部, 室長 (70223930)
鈴木 克洋 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター・感染症研究部, 部長 (00206468)
井上 義一 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター・呼吸不全難治性肺疾患研究部, 部長 (90240895)
露口 一成 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター・感染症研究部・感染症診断治療研究室, 室長 (00359308)
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キーワード | 感染症 / 免疫学 / 細菌 / 遺伝子 / 医療・福祉 / 結核ワクチン / キラーT / 多剤耐性結核菌 |
研究概要 |
(1)世界に先駆けて、BCGよりも1万倍強力な結核予防ワクチン効果を発揮するHVJ-Envelope/HSP65DNA+IL-12DNAワクチンを用いて、結核治療ワクチン効果を解析した。 (a)超薬剤耐性結核(XDR-TB)を5×10^5個i.v投与したマウスに、このワクチンを3回筋肉内投与(100ug/マウス)すると、コントロール群に比較して延命効果か認められた。カプラン・マイヤー検定で有意に延命効果か認められた。 (b)ヒト結核菌H37Rv 5×10^5個を投与したマウス(DBA/1マウスや免疫力が低下したTNFR(-/-)マウス等)において、このワクチンを投与して治療を行うと結核菌数の有意な減少を認めた。 (2)結核患者、特に多剤耐性結核患者のCD8陽性キラーT細胞からの結核菌殺傷蛋白15kd granulysin (15kGra)の産生の低下を初めて明らかにした。この15k Gra DNA (pcDNA3 .1ベクターに導入)を結核治療ワクチンとしてマウスに投与するとマウスの結核菌数の減少が認められた。 (3)結核感染カニクイザルにHVJ-Envelope/HSP65DNA+IL-12DNAワクチンを投与して結核治療ワクチン効果を得た。この実験においては、ヒトへの臨床応用を考えて1つのpVAXベクターに二種類のDNAすなわちHSP65 DNAとヒトIL-12 DNAを挿入した。このワクチンをヒト型結核菌Erdman株5×10^2個を気道内注入して感染させたカニクイザルに9回投与して治療した。その結果、末梢血リンパ球の著名な増殖反応が誘導された。さらに生存率の改善も認められた。
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