(1)新しい結核治療ワクチンの開発:このワクチンはマウス及びSCID-PBL/huの系を用い、多剤耐性結核や超薬剤耐性結核に対し、治療効果を発揮する画期的なワクチンであることを発見。 (2)このDNAワクチンが強力なキラーT細胞分化誘導活性を有すること、IFN-γ産生増強を明らかにした。 (3)15K granulysinタンパクがキラーT細胞分化因子活性を示したこと。世界に先駆けての発見である。15K granulysinは結核菌に対するキラーTを分化誘導した。さらに、IL-6と相乗的なキラーT分化誘導を示した。さらに、IL-2とも相乗的なキラーT分化誘導を発揮した。すなわち15K granulysinはIL-6やIL-2とは異なるキラーT分化シグナルを介することが示唆された。 (4)ヒト結核感染に最も近いカニクイザルを用い、このDNAワクチンが世界で初めて結核治療ワクチン効果を示した。 (5)結核感染カニクイザルにHVJ-Envelope/HSP65DNA+IL-12DNAワクチンを投与して結核治療ワクチン効果を得た。この実験においては、ヒトヘの臨床応用を考えて1つのpVAXベクターに二種類のDNAすなわちHSP65 DNAとヒトIL-12 DNAを挿入した。このワクチンをヒト型結核菌Erdman株5×10^2個を気道内注入して感染させたカニクイザルに9回投与して治療した。その結果、末梢血リンパ球の著名な増殖反応が誘導された。さらに16週まで生存率の改善も認められた。
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