研究課題
基盤研究(B)
ウイルス感染に対する生体防御において、I型インターフェロン(IFN)は感染初期の速やかなウイルス排除という重要な役割を果たしている。本研究では、ウイルス感染を細胞内で検知し、IFN誘導に必須なシグナル伝達分子であるRIG-Iヘリカーゼファミリーの機能に焦点を絞り、自然免疫システム誘導メカニズムの解明を目指した解析を行った。1.これまでその発現様式が明らかになっていなかったIII型IFNについて、その発現制御機構について検討を行い、III型IFNもI型と同様に、RIG-Iを介したシグナル伝達経路によって制御されていることを明らかにした。2.RIG-Iファミリー分子のひとつであるMDA5の機能解析のため、ノックアウトマウスの解析を大阪大学・審良静男教授らとの共同研究で行い、MDA5がRIG-Iと同様にウイルス感染に応答した自然免疫の誘導に必須な役割を担っていること、RIG-IとMDA5では監視するウイルスの種類に違いがあることを示した。3.RIG-Iを介したシグナルの生理機能を解析するため、RIG-Iシグナル人為的に細胞内へ導入する実験系を開発し、RIG-Iシグナルによる細胞応答について解析した。その結果、このシグナルにより細胞増殖抑制が引き起こされることが明らかになった。現在、その標的となる分子の同定とその制御メカニズムについて解析を行っている。4.RIG-Iがどのようにしてウイルス由来のRNAを検知しているのかについての解析を通じて、RIG-Iの基質特異性をさらに詳細に明らかにすると共に、RIG-I分子内のRNA認識に関与するドメインを明らかにした。以上の解析を総合的に理解しすることで、RIG-Iファミリーを標的とした新たな抗ウイルス薬剤開発につなげてゆきたいと考えている。
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