研究課題/領域番号 |
18390158
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前野 哲博 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (40299227)
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研究分担者 |
松崎 一葉 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (10229453)
笹原 信一朗 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (10375496)
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キーワード | ストレス / 過重労働 / 医療安全 / 医療ミス / 疲労度 |
研究概要 |
医師の過重労働、特に当直明け後の連続勤務による診療への影響を評価するシステム(Medical Exhaustion Assessment System,以下「MEXAS」)の開発・検証を目的とし、本年は、パイロットスタディの前段階として、医師の認知機能を測定するための検査内容を検討した。 具体的には、まず認知機能評価の先行研究にて用いられていたトレイルメイキングテスト(TMT)、ストループテストを検討した。現在研究、臨床に従事する、20代から40代までの医師15名を対象とし、飲酒時、疲労時を含む様々な条件下で複数回試行を行い、再現性、学習効果などについて検討した。その結果、トレイルメイキングテストについては、手技にある程度の学習効果はあるものの、習熟までに要する回数は非常に少なく、一旦習熟した以降はプラトーと評価しうること、またストループテストにおいても明らかな学習効果は認められないことが分かった。これらの結果をもとに、当直明け後医師の認知機能を測定するためのパイロットスタディのプロトコルを作成した。また、ACLSシミュレーションソフトについては、実際に使用するシナリオの選定、実際の医療現場における評価方法の検討を行った。 今後は、さらに、医師を対象として認知機能を測定していた先行研究に用いられていたContinuous Performance Testなどコンピューターベースの認知機能検査についても評価を行い、さらに有用性を上げたプロトコルを作成する。それをもとに、実際の対象群の条件とより近い勤務年数、勤務条件の医師数名を対象にパイロットスタディを行い、さらに認知機能の評価方法について検討する。そして、検討を経た、信頼性の確保された評価方法を用い、疲労による認知機能への影響およびその程度を客観的に評価する。具体的には、当直業務などの長時間労働の勤務後と、飲酒による認知機能低下との比較検討など、より詳細、多角的な医師の認知機能についての検討を行う予定である。
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