研究課題/領域番号 |
18390158
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前野 哲博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40299227)
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研究分担者 |
松崎 一葉 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (10229453)
笹原 信一朗 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10375496)
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キーワード | ストレス / 過重労働 / 医療安全 / 医療ミス / 疲労度 |
研究概要 |
医師の過重労働、特に当直明け後の、連続勤務による診療への影響を評価することを目的とし、最終年は、(1)病院勤務医を対象とした認知機能評価と(2)オンラインでの大規模な当直業務負荷疫学調査を行った。 (1)勤務医17名を対象に、認知機能、自覚的疲労度などを、当直明け時と通常勤務時で測定し比較した。当直明け時は、通常勤務時と比較しスタンフオード眠気評価尺度、疲労度、覚醒度のVisual Analog Scaleは有意に悪化しており、当直業務が医師の主観的負荷を高めている可能性が考えられた。フリッカーテストは当直明け時に有意に悪化しており、客観的な注意力低下の可能性が示唆された。Trail Making Test、Continuous Performance Testでは、当直明け時は悪化傾向はあるものの有意差を認めなかった。その要因としては、対象者数の少なさや、習熟効果の影響などが考えられた。 (2)2008年11月11日より11月18日の間に、医師を対象としたインターネット調査を行った。アクセス数280名のうち、回答数は226名で回答率は80.7%であった。男女比は204:22で、平均年齢は43.2±8.0歳であった。平日勤務時間は10.5±1.9時間、休日4.0±3.2時間.であった。月の当直回数は3.5±2.4回であった。平常時睡眠時間は6.0±1.0時間で、当直時睡眠時間は4.2±1.8時間であった。平常時と当直時の睡眠時間の差は、当直明けの眠気疲労度と身体負担感と精神負担感とイライラ感、そして医療パフォーマンスに大きな影響を与えていた。
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