研究課題/領域番号 |
18390168
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
塚元 和弘 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30253305)
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研究分担者 |
早田 宏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 客員研究員 (60244042)
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キーワード | 抗結核剤 / 肝障害 / 薬物代謝・解毒酵素遺伝子 / 抗酸化関連遺伝子 / 一塩基多型(SNPs) / 候補遺伝子アプローチ法 / 相関解析 / 症例-対照研究 |
研究概要 |
抗結核剤服用の肺結核患者100例において、副作用としての肝障害、皮疹、薬剤熱、好酸球増多症の発現の有無を調査した。治療期間中に34例の患者に好酸球増多症を、25例に皮疹を、18例に肝障害を、そして15例に薬剤熱の副作用を認めた。副作用感受性遺伝子を同定するために、副作用発現患者群と非発現患者群間で遺伝子多型の出現頻度の有意差検定を行った。 酸化ストレスに関連しているiNOS、TXNIP、MafKの3つの遺伝子多型と副作用発現間で相関解析を行った。iNOS多型のrs11080344 SNPとrs3794756 SNPを組み合わせたhaplotypes多型とdiplotypes多型のうち、diplotype(hap 1/hap 1)を持つ患者は肝障害を起こしやすかった(P=0.00845、0dds ratio(OR)=5.357)。また、MafK多型でrs4720833 SNPとrs3808337 SNPを組み合わせたhaplotypes多型とdiplotypes多型のうち、diplotype(hap 1/hap 2)を持つ患者も肝障害を起こしやすかった(P=0.039、OR=3.031)。 次に、炎症性サイトカインであるIL-1β、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-13、TNF-αの7つの遺伝子多型と肝障害発現との相関解析を行った。IL-1β多型でrs1143643 SNPのG alleleとrs3136558 SNPのC alleleを持つ患者は肝障害を起こしやすかった(P=0.0246、OR=3.057)。 今後も候補遺伝子アプローチ法を用いて抗結核剤の副作用感受性遺伝子を同定し、最終的には遺伝子診断法を確立する予定である。
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