研究課題
本年度腎癌診断マーカー候補ペプチドの探索の1年目として以下の2点を行った。(1)血清の採取北里大学医学部泌尿器科の協力のもと医学部倫理委員会の承認を得て腎細胞癌患者血清の系統的な採取を開始した。既に8名に関して、手術前(入院時)と手術後3ヶ月の血清を採取済みである。また2名に関しては手術前だけであるが今後手術後も採取予定である。今後も継続して採取を続ける。(2)分子量5,000〜20,000を対象としたスループットの高い探索法の確立当研究の特徴は血清中に存在する低分子量タンパク質ならびにペプチドをアルブミンなどのキャリアプロテインの影響を受けることなく再現性良く高効率に抽出する方法である。我々はこの抽出したペプチドを再現性の高い逆相HPLCで60分画し、MALDI-TOF MSで比較分析することにより血清中の微量ペプチドの検出ならびに診断マーカー候補ペプチドの探索を可能としている。現在、この方法を用いて上記の手術前後の血清の詳細な解析を行っている。しかし一方では、この方法はスループットが低い。そこで、分子量5,000〜20,000を対象としたスループットの高い方法を確立した。その方法はペプチド抽出物を再現性の高い逆相HPLCで25分画し、各分画物を低分子量電気泳動法で分離し、銀染色にて検出する方法である。この方法の利点はスループットが高いことに加えて、MALDI-TOF MSの検出感度が落ちる分子量5,000以上の領域において、銀染色により高感度に検出できる点である。また、同定に関してはそのゲル上のバンドを切り出してゲル内消化し、LC-MS測定により可能である。今後、MALDI-TOF MSを使った詳細な方法と平行してこの方法によるマーカー探索も進める。
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