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2007 年度 実績報告書

シックハウス症候群の病態形成における免疫応答関与に関する動物実験および臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 18390177
研究機関旭川医科大学

研究代表者

吉田 貴彦  旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)

研究分担者 伊藤 俊弘  旭川医科大学, 医学部, 講師 (20271760)
杉岡 良彦  旭川医科大学, 医学部, 助教 (30398747)
中木 良彦  旭川医科大学, 医学部, 助教 (90322908)
坂部 貢  北里大学, 薬学部, 教授 (70162302)
小島 弘幸  北海道立衛生研究所, 研究職員 (10414286)
キーワードシックハウス症候群 / 多種類化学物質過敏症 / 免疫学的検査 / DNAマイクロアレイ解析 / ホルムアルデヒド / 患者 / 実験動物
研究概要

シックハウス症候群(SHS)の病態形成への免疫機構の関与につきSHS患者と実験動物で検討した。動物実験は、ホルムアルデヒド(HCHO)曝露(1日8時間、1週6日間、6週間)した雌性B6C3F1マウスの脾臓および末梢血を検体とし、免疫学的検索(リンパ球分画解析、応答・活性調節因子mRNA発現、実験的誘発即時型アレルギー反応、リンパ球幼若化応答、Th1/2細胞バランス解析)を行った。さらに、中枢神経において曝露で変動するmRNAを検索した。HCHO曝露により脾臓リンパ球のCD4細胞増加およびCD8細胞減少とCD4/CD8比の上昇を確認した。また曝露群でインターフェロンγ(IFN-g)陽性細胞の低下傾向を認めた。IFN-g mRNA発現も同様の傾向を認めた。インターロイキン4(IL-4)mRNA発現も低下したが、IL-4/IFN-g比は曝露群で上昇傾向があった。他指標には有意な変化はなかった。以上より、HCHO曝露によりTh2細胞が減少傾向となり即時型アレルギー誘発側に偏る免疫傾向が示されたが、明らかなアレルギー症状増強の変化は認めなかった。また、嗅球においてプロラクチンmRNAの発現亢進が確認された。SHS患者は北里研究所附属病院臨床環境医学センター受診患者を対象とし末梢血より単核球(PBMCs)を得て、リンパ球表面抗原解析および応答・活性調節因子のmRNA発現量を解析した。DNAマイクロアレイ法により患者PBMCsで発現抑制された8遺伝子を特定し、これらを22名の患者と5名の健常対照者に対してRT-PCR法で発現量を比較したが両者に有意差はなかった。また、動物実験でSHSと関連が推定されたプロラクチンの血清中濃度も患者で高値を示す傾向があったものの有意差はなかった。総合的に判断して、SHSの病態形成における免疫機構の関与について明らかな関連は見いだされなかった。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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