研究課題/領域番号 |
18390183
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00188161)
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研究分担者 |
松口 徹也 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10303629)
堀内 正久 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (50264403)
青山 公治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70117472)
小松 正治 鹿児島大学, 水産学部, 助教 (30325815)
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キーワード | 習慣的運動 / 肺 / 自然免疫 / 活性酸素 / 遺伝子発現 / 代謝 |
研究概要 |
昨年度は10週間水泳を負荷したラットの肺の遺伝子発現を解析し、がん抑制遺伝子であるp21と脂肪酸代謝酵素のScd1の発現が運動により増加することを認め、病原体認識に関わるTlr4の発現が運動により増加傾向を示すことを示した。しかし水泳による運動はラットの非活動時間である昼間強制的に行うことから、本年度は、自発運動の健康影響を検討するために、回転車付きケージ(運動群)と回転車のないケージ(非運動群)でマウスを22週間飼育した。ラットではなくマウスを対象にした理由は、遺伝的背景が均一であり生体分子の遺伝情報を入手し易いこと、生体分子の解析に用いる抗体等が豊富であることである。回転車付きケージで飼育すると、マウスは1日平均5〜8km走行した。走行はほぼ夜間に限られており、これまでの昼間の強制運動負荷が非生理的であることが明らかになった。運動群では非運動群より摂食量が多く、体重は低く、内臓脂肪が少なかった。習慣的自発運動の遺伝子発現への明らかな影響の検出を期待して、肉眼的に運動群と非運動群で顕著な差を観察できた白色脂肪組織の遺伝子発現をまず検討した。その結果、脂質分解酵素遺伝子群の発現が運動群では低下傾向を示した。抗酸化酵素遺伝子については、運動群でSod1の発現増加、Sod2とSod3の発現低下を認めた。Tlr3の発現が低下していた。今回は回転車付きケージという特殊なケージであったため、運動群・非運動群ともケージの底が金属になっていた。その結果通常のプラスチックケージにおがくずを敷き詰めた飼育環境に比べると体重が運動群で低かったため、金属ケージによる何らかのストレス負荷が疑われた。そのため、回転車をプラスチックケージに取り付けられるように改良し、新たに運動実験を開始し、現在継続中である。
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