化学物質が感作性を有するメカニズムの一つとして、化学物質(ハプテン)が生体内蛋白等と結合して抗原性を獲得することが知られている。 そこで申請者らは、本研究において (1)化学物質と生体内蛋白との結合体を作製し、これを診断用抗原として特異的抗体(IgEおよびIgG)を検出する方法を確立し、アレルギー原因物質の同定を可能にする。 (2)化学物質結合蛋白の三次元構造の特徴を、最新のプロテオミクスの技術を用いて解析し、化学物質の構造式からその化学物質の感作性を予測できるようにする。 (3)環境中化学物質への感作の実態(それぞれの化学物質に対して特異的抗体を有しているヒトの割合)を明らかにする。 (4)アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)欠損者(お酒を飲むと顔が赤くなり、頭痛・動悸などの不快な症状を呈するヒト)のモデル動物であるAldh2ノックアウトマウスを用いて、遺伝的素因によるアレルギー発症の差を明らかにする。 について検討を行った。
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