研究課題/領域番号 |
18390196
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
鏡森 定信 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20019615)
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研究分担者 |
関根 道和 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30303225)
新村 哲夫 富山県衛生研究所, 環境保健部, 副主幹研究員 (80360808)
松原 勇 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (70173862)
立瀬 剛志 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (30397228)
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キーワード | 食事 / 運動 / 入浴 / 睡眠 / 連続モニタリング / 体動 / 心拍 / 深部体温 |
研究概要 |
栄養・運動・休養に係わる日常生活行動を心拍、血庄、深部体温、体動などの連続記録から検討し、定量的な指標から健康づくりの評価に資する目的で、新たなる今日的な生活の局面を加え研究を実施した。調査としては、起床時から就寝そして睡眠までの日常生活行動を記録し、その記録と心拍、血圧、深部体温(カプセル体温計)、休動(加速度センサー)の連続記録との突合せにより、日常生活行動の定量的評価をこれら生体指標により実施した。また、早朝起床時血圧上昇、朝食、運動(床上運動、水中運動)、入浴、夜食、睡眠などの局面において、行動内容や環境条件を変化させることによる生体指標の変動から、日常生活行動の健康に及ぼす影響について検討した。 結果では、(1)早朝起床時血圧上昇は、環境温の差異によって影響を受けた。すなわち低温時にはより血圧に上昇が高かった。ただし、早朝起床時の血圧上昇への環境温の差異には明瞭な季節差を認めなかった。(2)朝食によって心拍、血圧、深部体温のいずれも上昇したが、深部休温に関しては朝食の時刻による影響が明瞭で、体温上昇時間帯の朝食摂取が深部体温の際立った上昇ピークをもたらした。(3)午後の深部体温の安定期における同程度の運動強度の床上運動と水中運動(34〜35℃)では、生体指標では同程度の変化を示した。(4)夜食の時間帯による生体指標の影響では、遅い夜食が各生体指標のサーカデアンリズムの振幅を減少させる方向に作用していた。(5)睡眠潜時(就床から就寝までの時間)は、アルコール飲酒で短縮し、連続休動記録などの成績や睡眠の質に関する調査からは睡眠の質を低下させることが示された。 以上の成績は、栄養・運動・休養の視点から日常生活行動を定量的に評価することの意義を明らかにし、被験者の身体的負担も少なく連続的に記録できる計測器の開発により、個別的な健康づくりへの定量的対応が可能となり、健康的な生活習慣の確立に関する分野での利用の展望を間示した。
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